人は毎日さまざまな選択をして過ごしていますが、人生を左右する「進路」は子どもにとっても、親にとっても重要な選択の一つ。将来子どもが後悔することなく、たとえ困難にぶつかったとしても強く進んで行くためには、どのように選択して行くのがよいのでしょうか。
ご家庭の教育方針によって大きく異なるのが、最終決定権の在り処。これには、いくつか選択肢を出し、一緒に考えつつも最後は「私は、こうする」と自分で選択できるようにサポートする方法があります。この場合、決定権は子ども自身にあります。一方で、「今から将来のことなんて決められない!」と、親によりよい選択を決めてもらおうとする子ども多いでしょう。そんな場合や、親が子どもの進路(希望)をある程度固めていて、「あなたにはこうなって欲しい」と進路を提示する方法もあります。この場合、ある程度の決定権は親側にあります。
どちらの方法でも、子ども自身が「決めたことだから、最後までやり抜こう」と思えればOK。子どもが「私の意見なんてこれっぽっちも聞いてもらえなかった」「親のいう通りにするしかなかった」と思って進んで行くと、何か難しいことが起こる度に親のせいにしたくなってしまいます。「自分が選んだ人生」と納得できるように決定させることは、より強く、粘り強く進むために必要なことです。ただし、子どもが親に憧れていて、親の示す道こそが私の生き抜く道だと確信している場合は、親が決定したとしても前向きに進んでいくことができるでしょう。
では、具体的な進路先はどこから情報を得るのがよいのでしょうか。それは、選択肢がいくつかある場合、または就職先などのように探せば探すだけ膨大に選択肢が膨らんでいく場合は、ある程度特徴をつかんで狙いを決めて調べていく必要があります。ここで重要になってくるのが、子ども自身の興味のある分野や得意分野。環境の好みなども検討材料に入れておくといいでしょう。それらの条件に近いものを絞ったうえで、最終的には「目で確かめる」ことが大切です。教育機関を選ぶなら実際に足を運び、経験談を知りたければその道の先輩に会いに行って話を聞くのもとてもいいですね。
とはいえ、情報を集めるにしろ、実際に足を運ぶにしろ、費やせる時間やできることは限られていますから、あらゆる選択肢を検討し尽くすことは難しいことです。希望の選択ができない場合や、行ってみたら期待と違う生活を送ることになった、などの結果だって十分にあり得ます。
だからこそ「一度選んだらそこまで」と思わず、いつでも可能性を切り開いていこうとする意欲が大切です。選択だけが全てではないのです。どんな結果になってもまっすぐ受け止め、「今の状況のなかでどうやって生きていきたいか?」を一緒に考え、背中を押し続けることが、身近な大人のできる重要なサポートではないでしょうか。
(Nao Kiyota)