両親がたくさん本を読んでいるのに、その子どもは「漫画以外受け付けない」というご家庭が多いようです。「この本、面白かったよ!」と、どれだけ伝えても子どもには一向に響かず……。こういう場合、いったいどうしたらよいのでしょうか?
お父さんもお母さんも読書家の家庭は、本のある空間・生活が当たり前となり、子どもも自然と本を大好きになることが多いです。一方で、子どもだけが読もうとしないケースもあるようです。両親が読むからこそ、なぜ子どもは読まないのか不思議でしようがなく、どう読書意欲を湧かせてあげたらいいか迷ってしまうことも。教育現場でそんなお母さんからのお悩みをうかがったときは、次のような話をしています。
子どもが本を読まないというご家庭ではどのように本を置いているかをうかがうと、「子ども部屋の本棚に入れています」「家族で使う大きな本棚に、全ての本を入れています」など、本棚にしまっていることがほとんど。でも実は、その辺に落ちていたり、ページを開いていたり、背表紙ではなく表紙が見えていたりする方が、子どもにとって気にかかりやすいのです。テーブルの上に置いておいたり、表紙が見えるように設置したりすることで、本を手に取るハードルが下がります。ですから、まずは手に取りやすい環境を作ることから始めるのがよいでしょう。
また、決めるのは自分、という渡し方をすることで、読書意欲が湧くこともあります。「この本、面白かったよ。読みなさい」では、読んでくれませんよね。そうではなく、「この本、面白くってお夕食を作るのも忘れて読んじゃった! 一応、○○が読むならと思って出しておいたけど、どうする?」というように、“読むと決めるのは自分自身”と子どもが認識できる伝え方で渡してあげるのがオススメです。
そして、「我が家の日曜日のお昼は“読書の時間”です!」などとルール化して、全員が本を読む時間を作りましょう。その際、「漫画以外なら、絵本でもOK」というように、ハードルを下げてあげてもいいですね。今まであまり読んでこなかった子ほど、面白さを知るまでの経験が必要です。「読みなさいというママたちが読まないくせに、自分だけ読むなんて!」と反発する子もいますので、ぜひ皆で同じことに取り組む時間を作ってください。
他にも、子どもが読書を楽しむ経験を積めるよう、図書館に出かけたり、書店に赴いたり、本に触れる機会もたっぷり作ってあげてくださいね。
(Nao Kiyota)