3月20日から埼玉で行われる「2019フィギュアスケート世界選手権」。2018‐2019シーズンの最後を飾る国際大会というだけでなく、この大会の結果は来シーズンの世界選手権の出場枠に大きくかかわる。
世界選手権はオリンピックと同等の高い格の大会。各国出場枠の最大は3名だが、前年の世界選手権の各選手の順位でポイントが計算される。予選通過できず出場できない選手やチームは20ポイント、FS(フリースケーティング)に進出できないと18ポイント、FSに進出したものの16位以下の場合は16ポイント。FSに進出した15位以上の上位選手は順位がそのままポイントになる。2名、または3名出場の場合、成績上位2人のポイントの合計が13ポイント以下なら3枠獲得。1名しか出場していない場合は2ポイント、つまり1位か2位でないと3枠は獲得できない。2枠獲得の場合は2名、3名の出場で28ポイント以下が基準となる。
そんな今季の世界選手権について、さるフィギュアスケート関係者の「男子シングル3枠の獲得が難しいのではないか」という発言がネット上をざわつかせているという。
「もちろん、日本の話ではありません。日本は優勝候補筆頭の羽生結弦選手に宇野昌磨選手を擁していますから、3枠取れないということはないでしょう。13ポイント以下ということは6位と7位、1位と12位といった結果になること。羽生選手、宇野選手の順位がそこまで落ちることは考えられませんから、日本の男子の3枠は固いと言えるでしょう。3枠獲得が難しいのではないかと発言したのは、ロシアのフィギュアスケート関係者なんです」(スポーツライター)
今季の男子シングルのロシア代表メンバーは、ロシア選手権優勝のマキシム・コフトゥン選手、同2位のミハイル・コリヤダ選手、同3位のアレクサンドル・サマリン選手の3名だったが、コフトゥン選手にドクターストップがかかり、出場が叶わなくなり、代わりに、ロシア選手権4位で補欠だったアンドレイ・ラズキン選手が繰り上げ出場になったのだ。
「ラズキン選手はGPシリーズでは最高位が6位、コリヤダ選手のGPシリーズ最高位は4位、サマリン選手は欧州選手権2位、GPシリーズで最高位3位。つまり、上位2選手の総合得点が13ポイント以内の範疇にはいるようです。ただ、日本や、ロシア女子のように3枠が確実とは言い切れないということなのだと思いますよ」(前出・スポーツライター)
ロシアなりの“情報戦”と見る向きもあるが、羽生選手と宇野選手が出場する日本には、大きな影響はないだろう。
日本からの出場選手には、ぜひとも今シーズン最高の演技を披露してほしいものだ。
(芝公子)