3月20日から24日にかけて、さいたまスーパーアリーナを舞台に熱い戦いが繰り広げられた「ISU世界フィギュアスケート選手権大会2019」。この大会で、大きな注目を集めたのが、右足首負傷から約4カ月ぶりに復帰した羽生結弦選手の躍動だ。
「羽生はショートプログラムでは3位と出遅れましたが、フリーでは世界初の4回転トーループ&トリプルアクセルの2連続ジャンプを見事に決め合計300.97点を獲得。米のネイサン・チェンには及ばなかったものの銀メダルを獲得しました」(スポーツ紙記者)
羽生選手は、銀メダル決定後のインタビューで「正直、悔しいですね」とコメント。そしてこの後、よほど悔しかったのか「はっきり言って自分にとって、負けは死も同然だと思っているので。もうホントに…ホント勝ちたいです」と思いを語った。テレビに映し出された羽生選手の表情は笑顔であり、無念というよりも爽やかさすら感じたのだが、この“負けは死”発言に対して、ネットでは厳しい言葉が飛び交う事態となった。
「ネット上は、羽生選手の口から出た“死”という言葉だけが独り歩きしてしまい、批判を呼ぶことにもなってしまいました。羽生選手にしてみれば、金を逃した悔しさと自分にハッパをかける意味を込めて、“負けは死も同然”という表現を使ったのではないかと思いますが…」(前出・スポーツ紙記者)
結果として炎上してしまうとは思いもよらなかったかも知れないが、しかし、日が経つにつれ、形勢は変わりつつあると夕刊紙デスクは言う。
「一方で、こうした声も上がり始めているんです。『結弦くんの人間味溢れる言葉使いに…萌え』『負けは死とか、羽生結弦やっぱり人間としてもいいよなあ』と、逆に彼の“人間臭さ”に共感する声です。『負けは死と同じ 日本男児すぎる。ストイックすぎる』『怪我からの復帰で勝ちたい!という気持ちが伝わってきました』『かっけえ。痺れるなあ。これからも躍進して欲しい』といったエールを送るコメントも寄せられています。今まで羽生選手は我々から手の届かない遠い存在の“氷上の王子様”キャラでした。それが“負けは死”という言葉で、より親近感を覚えるようになったのかもしれません」
年齢的には“ベテラン”という域に差し掛かった羽生選手。次回こそは金メダルを獲って欲しいものだ。
(窪田史朗)