子どもの宿題、親はどこまで見るべき?

 学習塾で子どもたちを教えていると、多くのお母さんからいただく相談が「学校の宿題、どこまで手を出していいのでしょうか?」というもの。家庭で宿題を見ることは、簡単なことではありませんよね。いったいどうしたらよいのでしょうか。

 多くのお母さんの悩みは「やりなさい!」と言ってもなかなかやれなかったり、大騒ぎ(反抗)したりする、というものです。やらなければならないこととは分かっていても、「遊びたい」「後回しにしたい」というのが子どもです。子どもにとって、そんな気持ちを躊躇なくぶつけることができるお母さんだからこそ、「やれ」と言われると反抗し大騒ぎしてしまうのです。

 また、聞いてみるとこれもとても多いのですが、宿題を「早くやってしまいなさい」と言っていませんか? すべきことを早く終わらせることは理にかなったことですが、「やってしまおう」と言うほど、子どもは“宿題=嫌・面倒なもの”と印象づけてしまいます。

 多くの場合、お母さんは子どもに宿題をやるように言っても、自分がするわけではありません。すると、子ども心に「どうして自分ばっかり面倒なことをしないといけないんだ!」という気持ちが湧き上がり、兄弟が遊んでいればそちらに気を取られ、お母さんがテレビを見ていれば一緒に見たくなってしまいます。自分の気持ちを制御して、やるべきことに向き合う力が育ちきっていないのが小学生頃の子どもたち。楽しそうなものやうらやましいものが近くにあれば、そちらを優先してしまうのです。

 では、宿題に前向きに取り組ませるために、すべきことはなんでしょうか。実は、やれと言われてやるものは、終わらせるための「作業」になってしまいがち。漢字練習をしても書くだけで覚えなかったり、算数で分からなければ答えを教えるようにせがまれたりします。そこで大切なのは、“自分からやる”ようにサポートすること。宿題をやるように声をかけるのなら、「どの時間でやるか、自分で決めてね」と選択権を渡してあげましょう。

「今は、お勉強の時間!」と、お母さんも読書をしたり仕事をしたりして、“一緒にやるべきことに向き合う”のもよいでしょう。大好きなお母さんが前向きに取り組んでいることは、子どももやりたいと思いますし、自分だけじゃないと思えばつらくありません。

 自ら宿題に取り組めると、自学の習慣もつきやすいです。ぜひ、命令してやらせるのではなく、子どもが前向きに取り組めるよう、サポートしてあげてください。

(Nao Kiyota)

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