2019/04/30 10:15

「朝ドラ」が黒歴史になった女優(2)多部未華子、好演も阻んだ「暗黒時代」

 国民的ドラマといえば「NHK連続テレビ小説」。視聴率20%を少し超えるくらいでは“不振”扱いをされ、全話平均で23~24%程度の視聴率を叩き出すことは当たり前。民放のプライムタイムの連ドラでは10%を超えたら大健闘とされる中で、朝ドラは圧倒的な結果を出し続けているのだ。

 ところが、“朝ドラヒロイン”ならば誰もが順調にトップに上り詰めることができるのかというとそういうわけでもない。また中には作品そのものが“コケて”しまい、主演女優のその後の活躍の中で事実上“黒歴史”として扱われてしまうようなケースも少なくないのだ。過去20年ほどを振り返り、“恵まれなかった朝ドラヒロイン”たちを追いかけてみるこの連載。さて、今回の女優は…。

・2009年「つばさ」多部未華子

 多部未華子が悪いわけではまったくないし、その後の多部未華子の活躍ぶりは言わずもがなである。が、この「つばさ」は問題だらけであった。朝ドラの舞台にはじめて埼玉県が取り上げられた作品で、関東地方では高視聴率が期待されたところ、蓋を開けてみれば平均13.8%、最高視聴率は17.7%と歴代最低を記録してしまった。この頃の朝ドラはまさしく“暗黒時代”で、次作の「ウェルかめ」(倉科カナ主演)がこの記録を塗り替えてしまうのだが、内容面への評価という点では「つばさ」が歴代の朝ドラの中でもワーストと言っていいだろう。

 基本的にはホームドラマのテイストなのだが、失踪していたヒロインの母が多額の借金を抱えて戻ってきて、その借金のカタに多部演じるヒロインの玉木つばさが怪しい不動産屋の元で働かされる…というなんとも朝ドラらしからぬ展開。実際にはコメディタッチで描かれているから暗くはならないのだが、無駄に騒々しい展開が視聴者離れを誘う結果となった。

 ただ、多部未華子自身はこの駄作の中でもキラリと光る演技力を見せて、それをきっかけとして飛躍していくことになる。作品の質は主演の責任にあらず。どんな駄作であっても次に繋がるという、他の低迷朝ドラヒロインたちにも見習ってほしい結果になったのもまた、皮肉と言えるだろうか。

(山三大志)

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