2月18日から21日に開催されたフィギュアスケート四大陸選手権。日本勢の男子は惜しくも表彰台を逃したが、圧巻だったのは元世界王者のパトリック・チャン選手。ショートで5位と出遅れ、フリーでの演技に注目が集まっていたが、みごとな快演で逆転優勝を果たしたのだ。
「フリーでは四回転ジャンプはもちろん、苦手とするトリプルアクセルなどすべてを完璧に決めただけでなく、加点のつく素晴らしい出来でした。4回転を4本決めた金博洋選手は技術点が110.66点だったのに対し、2本しか跳ばなかったチャン選手は106.85点と肉薄。構成点で16.42点もの差をつけて逆転したのです。4回転を跳ばなければ高得点が狙えないという風潮の中、チャン選手はベテランの意地を見せたのです」(スポーツ紙記者)
といっても、今回のチャン選手の逆転劇には驚かされた人が多いという。
「チャン選手は今シーズンいまひとつ奮わなかったんです。今回も失敗したショートの後のインタビューでは、しきりと『氷の状態が悪くてうまくつかめなかった』と悪いのは自分ではなく氷だと主張。しかし、フリーで完璧な演技を見せたことで、マイナスイメージとなる発言を完全に封じました」(前出・スポーツ紙記者)
チャン選手の今回の滑りは、小林芳子・日本スケート連盟フィギュア強化部長も「パトリック・チャンがフィギュアの神髄を見せてくれた。ジャンプだけでなく基本的なことが大切。日本の選手が何か学んでくれたらいい」と大絶賛だ。
敵なしと思われた羽生結弦にとって、最大のライバルとなりそうな気配だ。