芸能事務所ワタナベエンターテインメントが、反社会的勢力の会合で“闇営業”を行なっていたお笑いコンビ・ザブングルの松尾陽介と加藤歩への処分期間やヒアリングの経緯などを詳しく発表。その対応の誠実さに称賛が集まっている。
他事務所の先輩である雨上がり決死隊の宮迫博之や元カラテカの入江慎也、ロンドンブーツ1号2号の田村亮らと共に、特殊詐欺グループの宴で芸を披露し“直のギャラ”を受け取っていたザブングル。吉本興業に属するタレントが大半を占める中、ナベプロとしてもザブングルへの対応に追われ、その謹慎期間を8月末までとすると発表した。“無期限での謹慎”を含め、タレントの復帰時期を具体的には明言しなかった吉本とは対照的に、ナベプロは予め謹慎の期限を設けた上に、その期間も短いように思えるが、毅然とした声明文にはしっかりとタレントを守ろうとする姿勢が垣間見えた。
「世間がこれだけ反社グループへの拒否反応を示している中、およそ2カ月でザブングルの謹慎を解くと決めたナベプロは非常にリスキーな判断を下したといえます。しかし、“株式会社ワタナベエンターテインメント”名義で綴られた声明文で、ファンや関係者、そして詐欺被害者への謝罪をしっかり述べたことはもちろん、他事務所とはいえ、日頃から世話になっていた入江からの懇願で止む無く参加してしまったザブングルの立場への酌量や、ナベプロの聞き込みに対して当初から金銭を授受していたことを正直に告白していた事実、さらには謹慎中の社会貢献の一環としてボランティア活動をしたいというザブングルからの申し出があったことなどが記載されており、事後対応として非の打ち所がない内容となっています。ザブングルが訴えたかったであろう釈明や金銭授受の事実を、本人らの代わりに事務所名義で発表したというのはタレントをしっかり守りながらも毅然とした対応を見せている証拠です。お手本のような振る舞いではないでしょうか。また、今回の報道によって久々にザブングルというコンビ名を耳にしたという人も多く、その意味では“損して得を取る”という状況になったと言えるでしょう」(芸能ライター)
ザブングルへの酌量の余地をしっかりと事務所が説明し、尚且つ具体的な謹慎中の活動内容にまで言及したナベプロについては、ネットでも「芸能プロダクションの中ではナベプロは多くの一般企業なみのコンプライアンスの感覚をもって対応しておられる感じですね」「ワタナベは本当にしっかりとした会社だな」「しっかりと所属タレントを守り、更正させようとするワタナベエンターテインメントの姿勢には共感します」などの賛辞が見受けられ、タレントの坂上忍もレギュラー番組において「ちゃんと事務所が壁になっている印象を受けた」とその対応を称えている。いざ復帰となった際に最も視聴者からの拒否反応を抑え、スムーズに活動再開できる立ち位置を得ることに成功したといえるかもしれない。
不祥事に携わったタレントを見捨てるのではなく、正すべき部分は正し、主張すべき事実は代わりに伝える。今後、この誠意あるワタナベエンターテインメントへの所属を熱望する芸人も増えていくに違いない?
(木村慎吾)