テレビ朝日は、東京・六本木のド真ん中にある。現在は六本木ヒルズエリアのシンボルとなっているが、移設前はおしゃれタウンの六本木にありながらも、見目麗しいといいがたい外観だった。
そんな旧社屋は、ジャニーズタレントと切っても切れない縁がある。古くは光GENJIから「第1リハーサル室」でオーディションが開かれてきたからだ。
ジャニー喜多川氏が親友の黒柳徹子と恋の噂が立ったとき、この「1リハ」で結婚発表記者会見が開かれると喧伝された。当然ガセだが、それほど1リハはジャニーズと縁深かったのだ。
SMAPもその1リハから誕生している。
「86年、14歳で入所したのは中居正広。SMAPでいちばんの古株です。まだヤンキーっぽさが抜けておらず、赤と黒のストライプのジョッパーを着て1リハに来たことがあり、後に木村拓哉は『毒蛇みたいな感じ』と振り返っています」(アイドル誌ライター)
翌87年、ほかのメンバーが入所。それまでジャニーズJr.研修生で最年少の中学1年生だった草なぎ剛は、あとから入室してきた少年たちを隅から隅まで睨みつけた。なめられないためだった。
「その少年たちこそが、のちのSMAP。小学5年生だった香取慎吾はお母さんに連れられて、中学2年生だった稲垣吾郎は2歳年上のお姉さんに付き添われてきました。お姉さんはその日、驚きの行動に出ています。椅子に座っていた中3の木村を見て、『かっこいい、サインもらってくる』と駆け寄ったのです」(前出・アイドル誌ライター)
姉は木村の目の前に立ち、「サインください」と大学ノートほどのサイズの用紙を差しだした。ズブの素人だった木村はペンで、「木村拓哉」と書いた。生まれて初めてのサインだった。
ちなみに稲垣はその日、「ファミコンショップ行きたいよぉ」とダダをこねていた。その姿をしっかり覚えているのは、最年少の香取だ。
そんな稲垣も今年12月の誕生日で46歳。俳優としてコンスタントに主演映画、主演舞台に恵まれ、10月4日には東京・銀座にディレクションするレストラン「BISTRO J_O」とカフェ「J_O CAFE」がオープンした。
奇遇にも木村は、フランス料理店を舞台にした主演ドラマ「グランメゾン東京」が10月20日、TBS系でスタート。食でつながったキムタクとゴロウ。銀座でばったりなんて、ことがあるかもしれない。
(北村ともこ)