2018年までの7年間でおよそ1億3800万円もの申告漏れと所得隠しが発覚したお笑いコンビ・チュートリアルの徳井義実。その“想像を絶するルーズさ”とは対照的に、出世街道のド真ん中を歩いてきた笑いの才能は周囲も羨むほどに突出したものだった。
個人的な旅費やアクセサリー代までも経費として申請し、2016年からの3年間は収入を一切申告していなかった事実も発覚した徳井は、過去に自身のツイッター上でも幾度かガスや電気の公共料金の支払い遅延を明かし、“今日は水風呂”などと嘆きのツイートを投稿するほどのだらしなさを露呈。また、社会保険にも未加入だったことも分かり、連日のようにバラエティ番組に出演する人気タレントとしてはあるまじき姿が続々と報じられている。
だが、その一方で徳井を“唯一無二の才能”と称賛し、擁護を展開する一部の論者が存在するのにはワケがある。
「徳井は吉本興業のお笑い養成所である大阪NSC出身で、史上最強の世代とされる“大阪13期生”の1人です。この期には徳井の他に次長課長やブラックマヨネーズ、野性爆弾、くわばたりえ、そして後期にはフットボールアワーやロッチのコカドケンタロウ(現在はナベプロ)らがひしめく“超豊作”年でしたが、そうした豪華な面々の中でも最速でブレイクを果たしたのが徳井です。モデル経験もあった彼はチュートリアルとしてのデビューからわずか4年後に吉本の男前ランキングで4位にランクインすると、そのイケメンぶりで世の女性を虜にし、かつて海外旅行中に韓国の大女優チェ・ジウから“逆ナンパ”されるという都市伝説も広まるほど。徳井はまだタレントの卵だったという若かりし日のチェ・ジウから名前入りの電話番号を渡され、数年後にテレビで“女優チェ・ジウ”としてブレイクする姿を見て、“あの時の子だ!”と驚いたようです」(テレビ誌ライター)
オリエンタルラジオやキングコングの西野亮廣など、容姿に恵まれた芸人の人気がデビュー直後からロケットスタートを切ることはよくある話だが、同期の芸人仲間にとって厄介だったのは、徳井が漫才のクオリティーにおいても突出してしまっていたという点だ。
「ブラマヨや次長課長はもどかしい日々を過ごしたでしょう。早く徳井の“アイドル的な人気”が終わってほしいと願っていたであろう矢先、なんとチュートリアルは2002年から上方お笑い大賞の新人賞を含むあらゆる賞を総なめにし、2006年にはM-1グランプリで優勝。その2年後から日本テレビの看板番組『しゃべくり007』でレギュラーの座を掴みました。つまり、徳井は容姿に恵まれ、デビュー直後からスターダムにのし上がった芸人というだけでなく、漫才でもピカイチの実力を備えており、テレビ局からもビッグオファーを頂戴してしまったわけです。大阪13期生の中でも群を抜くスピード出世を果たした徳井がいたからこそ、次長課長やブラマヨ、野性爆弾らは腐らずに反骨精神で成り上がりをしてみせたとも考えられます。それほどまでに徳井のキャリアは決して真似できないような特殊なものだったと言えるでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
現在の徳井の状況はいわば“キャリア初の大ピンチ”に瀕しているということになるが、このハンサムかつ実力者でもあるエリートはいかにして逆境を乗り越えていくのか。
多くのファンが今後の身の振り方を慎重に見守っているところだろう。
(木村慎吾)