ジャーナリストの木村太郎が11月17日、「Mr.サンデー」(フジテレビ系)に出演し、薬物犯罪を“被害者のない犯罪”だと表現した弁護士の橋下徹へ反論している。
同番組にゲストとして登場した橋下は法律違反の薬物所持で16日に逮捕された沢尻エリカ容疑者について「薬物に関しては厳しい社会を望みます。薬物が凶悪犯につながる可能性もあるから」と切り出すも、「ただ、被害者のない犯罪であることも間違いない」とし、直接的な被害者が存在する殺人事件や暴行事件とは事情が異なると指摘。続けて、「甘いと言われるかもしれないが、きちっと厳罰で社会的制裁を加えて、薬物依存を断つプログラムをきちっとやって、もう1回頑張ってもらいたいという思いがある」と語り、必要な手順さえ踏めば、復帰のチャンスを与えるべきとの見解を示した。
これに反論したのが木村だ。「橋下さんは被害者いないって言ったけど、被害者はいっぱいいる。NHKでしょ、コマーシャルの会社、映画撮った会社でしょ、何億って被害がある。芸能人の資格はない。“別に”なんて言ってられない」と一蹴し、今回の薬物犯罪での逮捕によって、沢尻容疑者と共に仕事を行った多方面に重大な経済的被害をもたらしている現状を指摘。橋下は「お金の問題はお金で解決すれば良い。人生誰でも失敗ある。僕だって沢山ある。薬物依存を絶った上でチャンスを与えるべき」とさらなる持論を展開すると、再び木村から「この人(沢尻容疑者)はチャンスを何回も与えられていた。みんな、それを裏切った。それでこういうことになった。お騒がせ女優がまたお騒がせに」と沢尻容疑者の度重なる不祥事に世間は何度も目をつぶってきたとも反論された。
「当初、橋下は“薬物犯罪には被害者がいない”と表現し、だからこそ“もう1回頑張ってもらいたい”と説明していたものの、その後、木村から多方面での経済的被害があると指摘されると、“お金で解決すれば良い”とし、自分含めどんな人間にもミスや過ちはあると主張しましたが、結局のところ、被害者が存在しない犯罪だから復帰のチャンスを与えるべきなのか、それとも、誰にでも過ちがあるからこそもう一度頑張ってもらいたいのか、その結論へ導く理由が曖昧になっています。ネットでも橋下の主張には『お金の問題ではないよ。番組、CM作りの為に多くの時間を犠牲にして頑張ってきたスタッフ、関係者の大切な時間を彼女は犠牲にした。芸能人の薬物犯罪の被害者はむしろ他の犯罪よりもたくさんいる』『違法薬物は暴力団の資金源なんだから、橋下氏の発言は暴力団の存在そのものを認めちゃう事にもなる』『同じ理屈なら飲酒運転で捕まっただけなら被害者いないじゃないか』『木村氏の意見がごもっとも』との反論が出ています。橋下が法律違反の薬物の蔓延や使用によって生じる二次的な被害や犯罪の存在を考慮しなかったことに、違和感を覚えたという反応が大半を占めていますね」(テレビ誌ライター)
一部では、今回の逮捕によって沢尻容疑者が背負う賠償額は5億円にも上ると算出されており、もはや復帰の可能性を模索している場合ではないのかもしれないが…。
(木村慎吾)