闇営業騒動の余波(2)…気がつけば誰よりも得していた極楽・加藤浩次

 闇営業騒動の中心人物といえる雨上がり決死隊・宮迫博之とロンドンブーツ1号2号・田村亮が共に敢行した7月の“ゲリラ会見”にて、吉本興業・岡本昭彦社長からのパワハラまがいの発言を暴露すると、自身の情報番組内で声を荒げたのが極楽とんぼの加藤浩次である。

 情に深く、仲間の窮地には黙っていられない“兄貴肌”の加藤は生放送中に吉本幹部を名指しで痛烈に批判し、「彼らが辞めないなら俺が吉本を辞める」と声高に断言。そこにはもはや情報番組MCとしてのニュートラルな姿勢は存在せず、世間からは「報道番組の私物化」などと非難される格好となった。

「この加藤の怒りによって吉本の幹部が辞任することはなかったのですが、結果的に吉本側は“加藤が提案した”エージェント契約という新たな契約方式を導入し、現時点でそのエージェント契約を締結しているのは加藤と、12月に入ってたむらけんじが漕ぎ着けた形です。このエージェント契約は簡単に言えば、“吉本芸人”というバッジを半分ぶら下げながらも、ギャランティーの過剰な搾取からは解放されるというもので、加藤のように自らの営業力で仕事を確保できる稼ぎ頭の芸人にとっては好都合な契約形態といえますが、相方の山本圭一が不祥事を起こした際も含め、長年世話になった吉本に対しては“裏切り”ともいえる提案です。しかもそのエージェント契約を取り入れている芸人が言い出しっぺの加藤とたむらに留まっているという点も違和感がありますし、散々『幹部が辞めないなら俺は辞める』と生放送で息巻いていた人間が、最後は都合の良い契約形態の導入で落ち着くというのは、報道番組のMCとして、視聴者からの信頼を大きく損ねる可能性が高いですね」(テレビ誌ライター)

 闇営業騒動において、最も“得をした”と言われる加藤だが、同時にこれまで敬意をもって称されていた“狂犬”という愛称も、風化してしまったかもしれない。

(木村慎吾)

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