12月22日に開催された「M-1グランプリ2019」(テレビ朝日系)で優勝し、見事な“行ったり来たり漫才”を披露したお笑いコンビ・ミルクボーイのストイックな一面が話題を集めている。
コーンフレークやモナカを題材とし、その特徴や偏見を織り交ぜた問答を繰り広げたミルクボーイの漫才は、審査員の松本人志からも「これぞ漫才」との高評価を頂戴し、681点というM-1史上最高得点を叩き出す偉業を達成。全国区でその名前がほぼ知られていない状態での快挙となったが、その背景には真摯に漫才の精度を高めようとする執念があったようだ。
「東スポWebが23日に配信した記事によれば、ミルクボーイの2人(駒場孝と内海崇)は今大会での優勝を目指すためにある時期から趣味に割いていた時間を全てネタ合わせに充て、芸人仲間からの飲みの誘いも全て断っていたといいます。また、優勝後の会見でもバイトとお笑いの仕事以外は全てネタ合わせをする時間にしたと明かしており、M-1司会の今田耕司からの飲み会の誘いすらも断っていたようで、一部の芸人仲間からはその姿勢を問題視されていたとも報じられています」(テレビ誌ライター)
縦と横のつながりを重要視する芸人の世界において、こうしたミルクボーイのやり方は角が立つものだったのかもしれないが、大会で披露した漫才を見ればその全てに納得がいく。
「審査員のナイツ・塙宣之はミルクボーイが見せた、一つの題材をめぐって否定と肯定を繰り返す形式の漫才について『僕らもこういう漫才をやりたかったけど、こんなに上手くはできなかった』とコメントしており、審査員側に座る現役の漫才師でもミルクボーイのネタの完成度には舌を巻いています。とりわけ、ツッコミを入れた後にコーンフレークの特徴を上乗せして相槌を打たなければならない内海の負担は相当に大きく、噛まずに話し切るだけでもかなりの力量や手腕が求められます。趣味や飲み会に明け暮れていてはあのクオリティーにまでは昇華できないと決心したのでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
ネットやSNSでもそんなミルクボーイのひたむきな姿勢に対して「勇気のいることだけど、それくらい本気だったんだなぁ」「起業家も見習おう」「本気の本気で取り組んだ成果。凄いですね!」という称賛が届いており、見事に結果を残したことで急激にミルクボーイファンを増加させている。
今後は“史上最高の漫才”を披露した彼らと飲みに行きたい若手芸人から誘いが殺到するかもしれない。
(木村慎吾)