独身の人は自由を謳歌できて幸せ……。そんな“おひとりさま”は珍しくない時代。けれど、結婚をするメリットだってもちろんあります。実は「寿命が延びる」なんてこともあるようです。いったいどういうことなのでしょうか。
医師の森田豊さんの著書「今すぐ「それ」をやめなさい! Dr.モリタのやめるだけで健康になる50のヒント」(すばる舎刊)によれば、独身者は既婚者よりも寿命が10年短いというデータが出ているそうです。
アメリカ・ケンタッキー州のルイスヴィル大学の研究グループが、過去60年にわたって約5億人を対象に研究を行ってきた結果によると、独身女性の寿命は結婚している女性より平均7~15年短く、独身男性は結婚している男性より8~17年も短かかったとか。
その理由は、結婚すると配偶者同士が互いの食習慣に気を配ったり、体の調子が悪いと病院に行くように勧めたり、互いに健康に気を付け合うため、結婚後の生活をより健康的にしているのではないかと考えられているからなんだそう。
とはいえ、慶應義塾大学のパネルデータ設計・解析センターのデスカッションペーパー「結婚すると健康になるのか、それとも健康な人ほど結婚するのか」(佐藤一磨氏)によれば、「慶應義塾家計パネル調査(KHPS)」を用い、結婚が健康に及ぼす影響を検証した結果、もともと健康な場合の人ほど結婚しやすい傾向にあるといえるそうです。
また、結婚後に喫煙本数の減少といった生活習慣の改善がみられることも、寿命が延びる原因の1つであることが分かったとか。一緒に暮らす家族のため、女性では出産・子育てのために、喫煙をやめることが寿命を延ばしているということがあるようですね。