最近やっと、女性も身体のことについてオープンに語れる風潮になってきましたね。でもその一方で、やはり男性との身体の関係の悩みは、相手に伝えられない女性も多いです。例えば、草食系男子。女性との身体の関係には希薄です。他にも、若い年代で恋愛中の男性の中には、性的な関係を好まない人が増えています。
これは心理学でいうところの、【アザラシのジレンマ】という状況かと推察します。アザラシは、たくさんの針のようなものを身体に持っています。なので、寒くてもう一匹のアザラシに近付こうとしても、相手の針が痛くなって少し離れた場所にしかいられない……。そうやって、アザラシ同士が距離を取り合うことをいうのです。
このジレンマは、人間同士の世界にもあるように思います。「本当はあの人ともっと近付きたい」「でも、近付き過ぎて傷つけ合うのが怖い」などの気持ちから、「近付かなければ傷付くこともない」「ならば近付かずにいよう」となるのではないでしょうか。
身体のことだけではありません。心だって、とことん相手とやり取りして初めてお互いのことを知る、自分たちが一生をともにできるかどうかを知るのです。とことんを避けていたら、いつまでも「生涯のパートナーは見つからない」と思うほうがいいかもしれません。
誰だって傷つくのは怖いし、自分を否定されたくはありませんよね。でも、そこを乗り越えてこそ、一生のパートナーと出会えるのではないでしょうか。
(恋愛カウンセラー・安藤房子)