「#KuToo」というハッシュタグをご存知ですか?
SNS上でのつぶやきから賛同者が集まり、ハッシュタグ化・運動へと発展している、ビジネスシーンで女性がハイヒールやパンプスを履くことを強制する風習をなくそうとする声のことです。この動き、日本航空(JAL)が女性客室乗務員らに対して設けていた「ヒール・パンプスの規定を撤廃する」と発表したことで、さらなる広がりをみせそうです。
「KuToo」は、「靴」と「苦痛」「MeToo」を合わせた造語だそう。足への負担の大きいハイヒールやパンプスを長時間履き続けると、走りにくくなり、外反母趾、靴擦れ、腰痛など、さまざまな悩みやトラブルを抱えやすくなります。女性が職場でこれらの苦痛を我慢してハイヒールやパンプスを履くことが“マナー”のようになっている風潮は「非合理的である」「男女平等でない」などの思いが、この運動を後押ししているようです。
一方で、パンプスを履きたいと思う人に対して、「履かないように強要することは、履くように強要することと同じようによくないのではないか」「男性がハイヒールやパンプスを履いてもよいではないか」などの意見もある様子。これらは、それぞれが「職場で履く靴を自由意志によって選べるようにするべき」という意見が根底にあるようです。
SNSでのつぶやきが大きな運動へと発展し、世界を変える──気付けば“皆がしていること”として当たり前になり、常識として凝り固まってしまったルールや考え方を変えることは簡単ではありません。しかし、皆が心地よく生きていける世界に変えたいという思いは、人を動かす力を持っているようです。
今後、どんな運動が起こりどのような社会に変わっていくか。その鍵は、私たち一人ひとりの言動が握っているのかもしれませんね。
(Nao Kiyota)