新型コロナウイルス対策として多くの自治体でゴールデンウィークまでの休校が続くなか、さらなる休校継続の可能性が浮上してきた。子育て家庭を対象に学校側から、家庭の状況を確認するメールやはがきが送られているというのである。
「4月24日に突如、学校から質問メールが送られてきました。その内容は各家庭のインターネット接続環境と、プリンターの有無を尋ねるもの。我が家はたまたま両方とも完備していますが、気になったのでママ友のLINEグループで訊ねてみたところ、他の学区でも同じようなメールが来ていたようです。なかには往復はがきで質問を送ってきた学校もあり、どうやらもっと早い時期から調査が始まっていたみたいですね」(子育て中の女性誌ライター)
この調査を、GW後の休校継続が決まった証拠と受け止めている家庭は少なくないようだ。しかしなぜ、学校側が各家庭のネット接続環境を気にするのだろうか?
「休校中の課題には『NHK for School』やYouTubeの動画を観る科目もあります。しかしネット接続環境がスマホだけという家庭だと、動画視聴に必要な通信データ量が足りなくなる恐れも。そういったネット難民の家庭を事前にリストアップすることで、対策を練られるようにしているのではないでしょうか」(前出・女性誌ライター)
アメリカではネット授業を活用し、休校中でも教師と生徒が円滑なコミュニケーションを図れるように工夫している自治体が少なくない。それに加えて、動画視聴環境を持たない家庭には専用のタブレットを配布したり、学校関連サイトにしか接続できない特殊なWi-Fi端末を無償貸与するといった方法で、すべての生徒がネット授業を受けられるように配慮している。
「日本ではそこまできめ細やかな対応は難しいものの、『パケ死しているから課題の動画が観られない』といった家庭への配慮は必要でしょう。すぐに対策が取れるかどうかは不明ですが、まずは現状を把握するだけでも一歩前進です。今後は新入生の家庭に対し、ネット環境を尋ねるようになるかもしれませんね」(前出・女性誌ライター)
教育環境のデジタル化やリモート化が新型コロナで進むというのは、何とも皮肉な話である。
(白根麻子)