フジテレビの人気長寿アニメ「サザエさん」が4月26日に放送され、その内容がコロナ禍で外出自粛生活を余儀なくされる視聴者の気持ちを逆なでするものだとして“小さな炎上”を起こしている。
問題視されたのは、作品No.8093の「G.WのBプラン」で、磯野家がゴールデンウィークを楽しむためのプランとして伊豆の温泉リゾートや動物園への観光を模索するという内容。これに対してSNS上に「おいおい、サザエさん一家よ、今の状況分かってるのか?」「今日のサザエさん…緊急事態宣言で外出自粛の中、GWにどこ出掛けるとか、全然世相が反映されてなくて。あほ。さすがフジテレビ」「作品に罪は無いとはいえ、外出自粛の世の中に水を差す内容には少し抵抗ある」などと、現実と乖離したストーリーに嫌悪感を示す投稿が続出したのだ。
とはいえ、そもそもアニメの「サザエさん」の脚本に世相を反映させるなんて決まりはないだろうし、今回の「G.WのBプラン」がいつ製作されたものかも定かではない。また、各放送局ではいまだに3月収録分のロケ番組や、複数のタレントがドライブを楽しむ番組なども放送されており、“創作の世界”である「サザエさん」を非難する前にそちらを問題視すべきではないかとの指摘もある。
「それだけコロナ禍で在宅を強いられ続ける国民のイライラが蓄積してしまっているということでしょう。同日に日本テレビで放送された『シューイチ』でも、画面右上には“撮影日:3月24日”とのテロップが表示されていたにも関わらず、『撮影日を載せれば良いってわけじゃない』などと出演者3人のドライブ旅行企画に対して、批判的な声が出ています。やや過剰な反応とも思えますし、『サザエさん』に至ってはアニメの世界。さすがに作中にコロナの災禍を織り込むわけにもいかず、どんな脚本を作り上げるかは作者の自由なはず。ネットでも、この不条理なプチ炎上について、『存在しない時空の物語にリアルな突っ込みを入れてどうするの』『こんなことで炎上するのか。自粛ムードでカリカリしてるのだろう』『サザエさんの世界で全員がマスクしてたら納得するのかな?』といった擁護のコメントも多数見受けられました」(テレビ誌ライター)
なお、現時点で「サザエさん」公式サイトでは5月3日の放送予定として、「仲よしタラちゃん」と題されたエピソードに「タラオとイクラが公園の砂場で仲良く遊び、それをサザエがベンチに座り、微笑ましく見ている」との記載が確認できる。
しかも、「そこにリカたち女の子3人が来て、一緒に遊ぼうと言う」とあるが、次週の「サザエさん」の“3密”具合にも多くの注目が集まることになりそうだ。
(木村慎吾)