飲食店や県外ナンバーに牙をむく「自粛警察」の危ない自己肯定感

 新型コロナの影響を受け、営業を続ける店や県外ナンバーをつけて走る車などに対して自粛を強要する、いわゆる“自粛警察”が全国各地で大量発生している。一方的な正義感を振りかざす彼らの正体とは?

「4月に緊急事態宣言が発令されてから、自粛警察が急増。千葉県では営業を続ける駄菓子屋に『コドモ アツメルナ オミセシメロ マスクノムダ』という貼り紙がされたり、東京都のライブハウスでも『安全のために緊急事態宣言が終わるまでにライブハウスを自粛してください。次発見すれば、警察を呼びます。 近所の人』との紙が貼りつけられるなど、報告が相次いでいます」(社会部記者)

 貼り紙以外にも、県外ナンバーの車にあおり運転をしたり、コロナに感染したと見られる人物の個人情報をネット上に晒したり、子供が公園で遊んでいただけで警察に通報するなど、過剰な訴えをするのが特徴だ。そうした行動をとる理由を、自粛疲れによるストレスの発散と見る声もあるが、実は同じ類の人たちはコロナ以前から存在していたという。

「自己肯定感の強い人は、もともと自粛警察になりやすいと言われています。たとえ相手に非がなかったとしても、自分の正しさを主張することで、自己肯定感が得られ満足するわけです。昨年、松阪市の商店街で店舗の敷地外に置かれた看板や自転車などを徹底的に注意して歩く“正論おじさん”が話題になりましたが、まさにそれ。敷地から看板がはみ出ていてもそこまで断罪するほどでもないが、原則としてはよろしくない。それに徹底的に正論を振りかざし、自分は正しいことをしているという肯定感を得ているわけです。こうしたタイプは日常生活に不満を感じていたり、普段から劣等感を抱いている人に多く、コロナのように『少しでも感染させる可能性のある行為は悪だ』という大義名分を得ると一気に湧いて出てきます。昔から災害時などにはよく出現しました」(前出・社会部記者)

 あなたも自己肯定感を求めて知らぬ間に自粛警察になっていないか、ご注意を。

(鈴木十朗)

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