Netflixやフジテレビで放送されている恋愛リアリティー番組「テラスハウス」が、5月27日に制作の打ち切りを発表した。番組に出演していた女子プロレスラーの木村花さんが5月23日に死去し、番組公式サイトでは、木村さんへの追悼の意を表した。しかし、視聴者からは番組打ち切りに対して様々な反応が寄せられている。
「TERRACE HOUSE TOKYO 2019─2020」は、男女6人がひとつ屋根の下で共同生活をする“台本のない恋愛リアリティーショー”。2012年から放送している大人気番組で、テラスハウス卒業後に芸能界で活躍するタレントも多い。
木村さんは、番組での言動や振る舞いに対してSNSで多くの誹謗中傷を浴びており、「毎日100件近く率直な意見。傷付いたのは否定できなかったから」などとツイートしていた。これを受けフジテレビは5月27日、テラスハウスの制作と放送、FODでの配信を中止すると発表した。
「テラスハウスは、2014年にディレクターによる出演者への性的ハラスメント、パワハラ、やらせ強要が週刊文春にスクープされ、一旦番組が終了しています。その後Netflixで新シーズンが再開していますが、2018年には出演男性が出演女性の寝込みを襲い、“強制わいせつ”で示談したという事件を文春オンラインで報じられており、トラブルだらけでした。それでも視聴率がいいので番組は継続していましたが、死者が出てしまったことで打ち切りを判断。しかしSNSでは『なぜ今回のような問題が起きてしまったのかを検証せずに、ただ打ち切りにするのはどうか』『再発防止策もなく打ち切りなんて、フジテレビは企業としての責任が問われるのでは?』『番組がなくなっても、この事件がなかったことにはならない』と、フジテレビへの批判が殺到しました。また、フジテレビと、テラスハウスの制作を行っているイースト・エンタテインメント社に、“社員が身に危険を感じるような”脅迫状が届いているという報道も。海外でもリアリティー番組では自死者が後をたたず、イギリスでは、リアリティー番組の『ラブ・アイランド』に出演していた32歳の女性と26歳の男性が自らの命を絶っています。世界中で、リアリティー番組の出演者の自死は30名を超えるとも。番組を打ち切りにするだけでなく、リアリティー番組の番組作りについて今一度考える必要があるのではないでしょうか」(エンタメ誌ライター)
番組を打ち切りにしただけでは、何も変わらない。フジテレビは今後どのような見解を示すのか?
(金宮炭子)