インド南部のインド洋に浮かぶ島国、スリランカ。日本人にはあまり知られていませんが、スリランカは宝石が多く採掘できる“宝石の島”なんです。その宝石はただ美しいだけでなく、「パワーストーン」でもあり、さらには「民間療法」として健康や美容に活用されているのだそう。そんなスリランカの宝石事情について、サンアイリス代表でスリランカの専門家である平塚さとみさんにお話を伺いました。
■イギリスでは女王の王冠にも!ダイアナ妃にも贈られたスリランカ産宝石
「スリランカは、シンハラ語で『光り輝く島』という意味です。2500年前より、世界各国に宝石を供給してきました。サファイア、ルビー、アレキサンドライト、トパーズ、アクアマリン、トルマリンなど、ダイヤモンド以外の貴石はほぼ採掘できる、輝く宝石の島です。
有名なのは、イギリスのチャールズ皇太子がダイアナ妃に贈った婚約指輪が、スリランカ産のブルーサファイア18カラットだったこと。そして息子のウィリアム王子が、キャサリン妃にそれを婚約指輪としてプレゼントしています。イギリス王室では、女王の王冠などにも使われています」
■スリランカでは宝石が民間療法に使われている
平塚さんによれば、スリランカの宝石はクオリティの高い上質な宝石というだけでなく、古くからアーユルヴェーダ(予防医学)やスリランカ占星術でも活用されており、現代に至っても民間療法として宝石が使われているのだとか。具体的にどのように使われているのでしょうか?
「スリランカでは、古代より伝統医学としてのアーユルヴェーダが受け継がれてきましたが、それが今も実践されています。例えば、トルマリンやトパーズを入れた水を飲むと腎臓によいなど、飲み水に入れるものはポピュラーです。他に、腰痛にはトルマリン、水晶、シリカ、ヘソナイトガーネットの粉を混ぜたものを塗るなども民間療法として伝えられています。
お風呂にブラックトルマリンを入れるなど、血行をよくするものは日本でも広まっていますね。美容では、水晶とトルマリンとサンダルウッドを粉にして、顔に塗るなどもあります」
■“恋人ができる石”インカローズの本当の意味は……
またスリランカの宝石には、運気を上げるパワーストーンとしての意味もあるそうです。
「日本で数年前に“恋人ができる石”として有名になったインカローズは、スリランカでは男女の営みを充実させる石として有名です。若い独身女性から『インカローズのブレスレットが欲しい』とオーダーされた場合、スリランカでは別の意味になるから気を付けて!と言われたこともあります」
いろんな用途で活用されているスリランカの宝石たち。平塚さんは次のようにまとめます。
「石は何億年前より地中で育まれたもの。そのエネルギーを健康や運気アップに役立てようと、古代から伝承されてきました。これは最大の口コミなのかもしれませんね」
スリランカの知られざる宝石の話、いかがでしたか。今後はスリランカで採掘された宝石に、ぜひ注目してみてくださいね。