コロナ禍によって大打撃を受けた観光事業者支援のために7月22日からスタートした、「Go To トラベル」。第二波が懸念される中でのキャンペーン強行には批判の声が多いが、たしかに内容的には旅行代金の最大5割が補助されるなどかなりお得だ。ところが、感染拡大によって東京は除外。仲間外れにされた東京で、いま“都民限定”宿泊プランが続々登場しているのをご存じか。
「Go To トラベルキャンペーン」ならぬ、「G.O.T.O.キャンペーン」を仕掛けたのが、奥浅草エリアにある「茶室ryokan asakusa」。茶室をイメージした、和モダンの客室が外国人旅行客にも人気の旅館だ。「G.O.T.O.」とは何かというと、「Government Omitted Tokyo Only(政府は東京だけを除外した)」の頭文字で、曖昧な国の対策への皮肉が小気味いい。このキャンペーンは、都民であれば8月の宿泊料は全室50%オフ。1泊朝食付き・1室2名利用時/1名5600円~(税・サ込み)となる。申し込みは「Go To トラベルキャンペーン」に東京が追加される、もしくは8月14日(金)まで。すでに予約が殺到しているという。
リーガロイヤルホテル東京(東京・新宿区)も、都民を応援する宿泊プラン「Go To リーガ」を8月1日から開始した。料金は1泊1室2名利用で26000円~(税・サ込み)で、休前日は1室プラス6000円。プラン料金の50%相当額分の館内利用券がつく。レストランやペストリーショップ、ルームサービスなどで利用できる。15時までのレイトチェックアウトが無料で、最大24時間滞在可。期間は東京都の除外が解除されるまで。
プルマン東京田町(東京・港区)は、都民限定の「夏休みステイケーションパッケージ」を提供。3密を回避できるアクティビティ、水上タクシーを30分間貸し切り特典付きで、1泊(朝食なし)1室2名利用で27000円~(税・サ込み)。期間は8月31日(月)までだ。
「オリンピックが延期され、インバウンド需要がなくなった都内の宿泊業者にとって『GoToトラベルキャンペーン』の東京除外はトドメを刺されたようなもの。各々のホテルで、リモートワーク利用など様々に工夫を凝らして苦境を凌いでいますが、これら都内居住者向けのプランもその一環。期間限定で競争率も高いことから、今後追随するホテル・旅館も出てくることでしょう」(旅行誌ライター)
感染が拡大していることから、一日、非日常感のある部屋で過ごすのも一興だろう。
(石田英明)