地元・関西の色を前面に打ちだし、成功した関ジャニ∞。「NHK紅白歌合戦」の常連で、全国5大ドームツアーをフルハウスにできる国内屈指のグループとなった。だが、同世代の嵐と比べると、花が咲くのは遅かった。
デビューした翌05年に、センターでエースの内博貴、18年にボーカリストの渋谷すばる、19年に渋谷とツインボーカリストだった錦戸亮が脱退。以降は安田章大と丸山隆平がメインボーカルとなって、5人でリスタートした。
俄然フィーチャーされることとなったのが、安田だ。大倉忠義と同じく、ソロのレギュラー番組はないものの、音楽スキルはピカイチ。エイター(関ジャニファン)の間では久しく“愛され&癒しキャラ”として浸透しており、いい人エピソードに事欠かない。
「相手がメンバーであっても、その日に会うと必ず目を見ながら挨拶してくれるといいます。その瞬間にメンバーの不調を自分なりに感じ取って、気になるところがあると『今日ちょっと、元気ないけど大丈夫?』と声をかけるそうです」(芸能関係者)
結成当初から関ジャニ愛にあふれている。単独の仕事のときは、楽屋に関ジャニの写真を置くという。7人グループだったころ、そんなことをしているのは安田だけだった。
抜群の運動神経で、ダンスを覚えるスピードはトップクラス。芸能人らしくない立ち居振る舞いに、横山裕はかつて「関西イチおもんない関西人」と言った。ところが、メンバー減となった今は、それがセールスポイントとなった。
安田のように、地味キャラからの大逆転で思いだされるのはNEWSだ。03年の結成時は9人だったが、11年にセンターの山下智久がソロ活動のため、錦戸亮が関ジャニ専念のために抜けると、小山慶一郎、加藤シゲアキ、手越祐也、増田貴久の地味な4人が残った。
「このとき、『いちごのないショートケーキ』『具のないおでん』『“○○と愉快な仲間たち”の“愉快な仲間たち”しか残ってない』ほか、屈辱的な言葉を浴びせられました。でも、手越も卒業して3人となった今は、残った3人を応援する声が高まっています」(芸能ライター)
地味男を脱した安田は9月24日に、「安田章大写真集 LIFE IS」を出版。アーティスティックな作品集には、17年2月に受けた髄膜腫の手術前後の病室の様子も収められているという。
一方のNEWSは、増田が日本テレビ系の大型チャリティー番組「24時間テレビ 愛は地球を救う」のメインパーソナリティーに抜てきされた。V6の井ノ原快彦、Kis-My-Ft2の北山宏光、ジャニーズWESTの重岡大毅、King & Princeの岸優太と立派に務めあげた。
いちごのないショートケーキたちは今、極上のうまさを誇るスポンジケーキとなったのだ。
(北村ともこ)