お笑いコンビ・ウーマンラッシュアワーの村本大輔と中川パラダイスが12月6日放送の「THE MANZAI 2020」(フジテレビ系)に出演し、政治ネタを散りばめた漫談を披露している。
これまでも漫才披露のステージで過激な社会風刺をネタとしてきた村本だが、この日も会場を見渡して「今日は若い子が多いから『桜を見る会』の話をしましょう」と口火を切った。前首相である安倍晋三氏への批判を繰り広げ、「安倍政権をかばう奴らがいる。こいつらが俺のことを嫌いでSNSで『地獄へ行け』と。地獄はGo To(トラベル)の対象ですか?」「面倒くさいからツイッターを削除したら、『逃げやがった』と。待ってください、安倍政権が公文書をシュレッダーにかけたことは許したのに。俺のツイッターは公文書より上だ!」などと得意の早口で一気にまくし立てた。
また、村本がたびたび言及し続けてきた原発問題についても触れ、吉本興業の先輩芸人らを引き合いに出しながら、「チュートリアルの徳井原発が再稼働した。コーヒー屋で会ったが消費税を払っていない」「宮迫原発は廃炉になった」「ロンドンブーツさんはあの時から1号機2号機と呼んでいる」と毒舌トークを展開。最後には「フジテレビ、このネタ改ざんすんなよ」とノーカットでの放送を要求し、ステージから去って行った。
「相方の中川パラダイスの存在をほぼ無視した格好の1人漫談となり、毎度のことですが、これが『THE MANZAI』で披露するに適したネタなのかは微妙なところ。また、村本の“独演芸”についての感想を求められた同番組最高顧問のビートたけしも『ああいうのは北千住の駅前によく居たな』と表現し、スタジオを盛り上げました。ネット上では、たけしの言葉には村本の1人しゃべくりを“漫才”とは認めていないとの間接的なメッセージが込められていたのではとして、『たけしさんの総括が全てを表している。これは漫才ではないと』『たけしさんらしい本質を突きつつ、ウィットと強烈な皮肉に富んでいるコメントだが、当の本人には伝わらないだろうね』『場違いな演説、場違いな批判で駅前で主張する奴と同じレベルだということ』との反応が集まっています。視聴者が抱いた違和感をたけしは短いながらもツボを捕らえた言葉で咄嗟に表現していたと言えますね」(お笑いライター)
過去には同局の「ENGEI グランドスラム」でも社会問題を斬るマシンガントークを披露した村本。一部からは「メディアがなかなか取り上げてくれない問題をよく発信してくれた」との好意的な反応もあるが、やはりどこか“場違いなムード”は否めない。
最高顧問という立場から村本の独りよがりな漫談を見せつけられたたけしも「ここは北千住の駅前じゃない!」との想いを抱いたのかもしれない。
(木村慎吾)