お笑いタレントの土田晃之が12月5日放送の「さんまのお笑い向上委員会」(フジテレビ系)に出演し、同番組からの卒業を発表している。
2015年4月より開始した同番組は263回もの放送を数え、土田は初回から「全試合ピッチに立ち続けてきた」として“フル出場男”とも謳われてきた。
だが、この日は冒頭からMCの明石家さんまが「土田が今週で辞めたいと…」と切り出し、土田の卒業を報告。これを受け、土田は「そもそもなんですけど、この番組のレギュラーはさんまさんだけなのに、ずーっと出てるのもどうなのかな」と卒業理由について語り始めたが、途中、さんまが割り込み、関係のないトークをぶっ込んだ。
土田からは「これ。こういうのがイヤになった。面倒くせぇなぁ」とお笑い怪獣の暴走に辟易してきたことを笑いながら訴えている。さんまは、“前へ前へ”という芸人特有のノリを見せない冷静な土田の存在について「どんだけ助かってきたか」と卒業を惜しんだが、共演者からは「いい加減な引き止めがバレバレ」とのツッコミも浴びていた。
「この番組は今田耕司や雨上がり決死隊・蛍原徹、ネプチューン・堀内健を始め、ベテラン組の出演が多い一方、まだ世間に知られていない新人芸人にもいち早くスポットライトを当てることで知られています。ベテラン組も若手組も共通して言えるのは、さんまの暴走トークに付き合うだけのエネルギッシュさを備えていることですが、そんな中で、ほぼ相槌やリアクションを取らない土田の存在は異彩を放っていました。視聴者からはそうした態度について『もう少し楽しそうにした方がいい。常に不満そう』『居ても居なくても変わらない』『無愛想。腫れ物が座ってる感じ』とあまり芳しい評価は寄せられていません。ただ、土田は自身の芸人としてのスタンスについて、『周りの全員が立ち上がるなら、自分は座ったままでいる』『周りが前に出るなら、自分は引く』と説明。大勢の芸人が集まるバラエティ番組で生き残っていく為の処世術を明かしたことがあります。もちろん、『向上委員会』での土田も決して不貞腐れているわけではなく、周囲とのバランスを考慮してあのようなポジションを取っており、結果的にさんまからは『どんだけ助かってきたか』との評価を頂戴。“フル出場”に値するだけの価値を示してきたといえます」(テレビ誌ライター)
かつて、お笑いコンビ・鬼越トマホークはさんまが好き放題に芸人と絡み合う同番組を「さんまさんが死ぬまでの思い出作り」と表現し、スタジオを爆笑させていた。
番組内でのバランサーとして6年近くフル出場してきた土田は、さんまの思い出作りにおいて多大なる貢献を果たしたと言えそうだ。
(木村慎吾)