歌手のプリンス、俳優で芸人の前田健。有名人の訃報が相次ぐなか、少女漫画家の吉野朔実が亡くなっていたことがわかった。亡くなる直前まで元気に暮らしており、翌日には母親と会う約束があったため、手作り料理を用意していたという。
死亡したのは4月20日だったが、訃報が報じられたのは5月2日。ネット上には吉野の突然の死を悼むファンの声が多数書き込まれた。吉野は少女が持つ独特な毒を文学的かつ繊細な作画で表現することが巧みで、「少年は荒野をめざす」(集英社)、「ジュリエットの卵」(小学館)などの名作を残している。
同業者にもファンが多く、葬儀に参列した漫画家の吉田戦車はツイッターで「直前まで映画を観に行き、食事をし、行きつけのバーに顔を出すなど、普通の生活をなさっていた晩の急な出来事だったということです。(中略)早すぎる、残念だ、悲しい…とくりかえすしかない。」と書き込んでいる。「吉野は自身が描く絵とよく似た清楚で凛とした美人でした。精神世界を独特の表現力で描く才能は唯一無二と言えるでしょう。最近は少女漫画を読まない若い女性が増えていますが、1度だけでも吉野の作品を読んでほしい。自分が世界と向き合うための“視線”を、どのように向けるかのヒントがたくさん表現されています」(女性漫画誌編集者)
心からご冥福を祈りたい。