コロナ禍においては対面でのコミュニケーションが難しいこともあり、婚活も困難になっています。しかし、これに反比例するように、結婚したいという人々の願望が大きくなってきているようです。
リクルートブライダル総研『婚活実態調査2020』によると、新型コロナウイルス感染症の流行により、恋愛・結婚意向が高まった人の割合が約4割に上ったとか。詳しくみると、「人と過ごすありがたみ」や「将来を考える機会」が増え、将来をイメージして誰かと共に生きる意欲が増した可能性があることが分かったそうです。
また、次のような面白い傾向もありました。結婚相手に求める条件として、「安定した収入」「安定した職業」「長時間一緒に過ごすことが苦にならない」「相手の健康面」「自分との価値観が合う」「個人の時間を尊重してくれる」「2人の時間を大切にしてくれる」が重視されるようになったのです。
この結果に対して、リクルートブライダル総研所長である落合歩さんは、緊急事態宣言やステイホーム推奨の中で、自宅で過ごすことが増えたことによる結婚に対する価値観への変化が見えたといいます。それが、パートナーとの心理的・物理的な距離感です。
そして、これまでにないほど長い時間を自宅で過ごす人が多かった中で、結婚後の生活も想像し、改めて結婚相手への条件を考える機会になっていたことが影響しているのではないかと述べています。
コロナ禍で人と人との距離を保たなければならなくなった一方で、長い時間一緒に過ごす家族に対しては、慎重に選ぶべきだという考えが生まれてきているのかもしれません。同じ家の中でも顔をほとんど合わせない夫婦もいる中で、これからは一緒にいて苦痛にならない、相性のよい人が求められるのかもしれませんね。