お笑いコンビ「極楽とんぼ」の加藤浩次が、吉本興業との専属エージェント契約を今月末で終了するニュースは、芸能界に様々な波紋を呼んでいる。
芸人の闇営業問題に際して、自身がMCを務める「スッキリ」(日本テレビ系)で、加藤は「(吉本の)経営陣が変わらないならやめる」と会社を痛烈に批判。大崎洋会長との面談を経て、吉本初の専属エージェント契約を結んだのが2019年10月だった。
それが、わずか2年で終了。3月10日の「スッキリ」に出演した加藤は、「エージェント終了は吉本興業側からの通達だった」「僕がノーというわけにもいかないんで、お互い納得の上で契約がなくなるということになっちゃった(笑)。ちょっと僕もびっくりしてるんですよ」と、本人も寝耳に水だったようだ。
やはり番組内で会社を痛烈に批判したツケが、このタイミングで回ってきたのか。吉本興業の広報担当者は「(会社批判は)まったく影響していない」としているが、あの発言が根底にあることは否めないとする見方が大勢を占めている。しかし、事情は別のところにもある。
「例えば『スッキリ』のギャラは加藤8に対して吉本2と伝えられている。この料率では吉本も専属エージェント契約を結ぶメリットがないという会社としての判断もあるようです。今後についても、加藤は不安要素が満載です。例えばジャニーズ事務所は、中居正広のように円満退所の場合を除けば、退所したタレントと現役ジャニーズは共演NGだと、いまだにささやかれています。業界大手の吉本興業の場合、所属タレントがMCを務める番組はあまたある。いくら円満を装っても忖度するメディアもあり、加藤の仕事の幅が狭まるのは火を見るよりも明らかでしょう」(女性誌記者)
すでに今春の改編に伴い、6年間MCを務めてきた「この差って何ですか?」、28年間続いた「スーパーサッカー」(ともにTBS系)が終了。また、「スッキリ」の裏番組「ラヴィット!」(TBS系)のMCに吉本所属の麒麟・川島明が起用されるなど、外堀は埋められつつある。
未成年女性への不適切な行為により吉本を解雇された相方の山本圭壱は、10年に及ぶ“干され期間”を経て2016年に吉本に復帰した。極楽とんぼとしては4月以降、それが逆の立場になる。加藤の苦境は、今、始まったばかりだ。
(窪田史朗)