タレントの小倉智昭が3月14日放送の「ボクらの時代」(フジテレビ系)に出演。今月26日に最終回を迎える同局系「とくダネ!」の長い歴史において、最も辛かった批判を振り返った。
小倉は、フジテレビの佐々木恭子アナ、山崎夕貴アナと共にゲスト出演し、22年の長きにわたってフジテレビの朝の顔として君臨した「とくダネ!」について言及。
1999年の放送開始時に比べ、徐々に言いたいことが言えない雰囲気になってしまったと語り、「ネットの影響もあるし、局の姿勢の問題もある。スポンサーの話が出たりとか、だんだん言えなくなるもんなんだよね」と様々な要因があったという。
また、2018年に膀胱ガンによる膀胱全摘出手術を行った際には、「入院している時って暇でしょ。それまでろくすっぽ見なかったネットとかを見るようになったら、『こんなに俺って叩かれてるんだ』って実感しました」と、エゴサーチを始めたことで自らの“嫌われぶり”に気付かされたと嘆いた。
「とくダネ!」内の発言により幾度か炎上劇を繰り広げてきた小倉だが、中でも1番辛かった批判は、“暴力団容認発言”に対するバッシングだったようだ。
小倉は「『世の中には警察や弁護士でも(解決)できないことがある。嫌なことなんだけど、その筋の人が介入して丸く収めちゃったりすることがあるんだよね』って言ったんです」と騒動となった発言を改めて紹介。続けて、「でも、そういう世の中があっちゃいけないんだ」と併せて主張するつもりが、生放送の時間が足りず、言いたいことを100%伝えることができなかったという。
放送後、小倉の発言は“暴力団を容認するもの”などと解釈され、大炎上。同局の報道局長から呼び出しを受けたとも振り返った。
「小倉は『とくダネ!』での発言やコメントについて、『後半の10年は言いにくいことがかなり増えた』と説明していますが、この失言騒動が起きたのがまさに10年前の2011年8月でした。番組では、反社会的勢力との交際が発覚し、芸能界を引退すると発表した元お笑いタレントの島田紳助さんについて紹介。その中で、小倉は『皆さんの周辺でも、知らないうちにそういう(反社会的な)人が解決してくれるってことは起こるはず』と発言。これが問題視されると、2日後の放送では『気が付いたら巻き込まれていたということもある。“気をつけてほしい”ということで言ったつもりだったが、どうも言葉が足らなかった』と釈明していました。しかし、騒動の影響は大きく、現役の政治家からもSNS上で『一発アウト!』『番組降板と謝罪会見は当然』などと糾弾される事態となり、番組内でのコメントのスタンスを大きく変える出来事となったようです」(テレビ誌ライター)
なお、その後は“言いたいこと”があっても、小倉は「ここは、このぐらいに止めておこうかなとか、匂わすぐらいにしようかなとか。あるいは、こう言っている人も多いですよね、こんな風に報道もありますよね、とかの言い方で濁すようなこと。自分の意見としてではなく。汚い手だよね」と言い回しを変えるようになったという。
様々な試練を経て、ついに22年の歴史に幕を下ろす「とくダネ!」。小倉にとってライフワークのごとき番組だったが、まだまだ現役のフリーアナウンサーとしてアグレッシブな活動を続けてもらいたいところである。
(木村慎吾)