代謝の向上やボディラインの引き締めに重要な「筋肉」。これを味方につけて引き締まった体を実現するには「たんぱく質」の摂取法が重要なんだそうです。NHKの人気番組「みんなで筋肉体操」でおなじみの生理学者、谷本道哉さんに詳しく教えていただきました。
■ダイエット成功の鍵を握るのは「たんぱく質」
人間の消費エネルギーの 約6 割を占めるのが基礎代謝で、その量は筋肉や臓器などの除脂肪量に比例しているとか。そのため、運動不足などで体内の筋肉が減少すると基礎代謝が低下し、エネルギーの消費量が減少して余剰エネルギーが皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積されやすくなるのだそうです。
体内のたんぱく質は24時間壊されて(分解)は作られて(合成)常にリニューアルを行っているため、合成よりも分解が進むとたんぱく質の塊である筋肉量も減ってしまいます。筋肉量を維持・向上させて基礎代謝を高めるには運動が有効ですが、その効果を高めるためにも、食生活を見直して筋肉の主な原料であるたんぱく質を上手に摂り入れる必要があるそうです。
■理想のたんぱく質摂取バランスは「動物性:植物性=1:1」
食事で摂取できるたんぱく質には、肉や魚、乳製品などに含まれる動物性のものと、豆腐や納豆など大豆製品に含まれる植物性のものがあります。最近の研究では、動物性と植物性のたんぱく質を1:1の割合で摂ると、筋たんぱく質の分解を抑制することが分かっているとか。動物性のたんぱく質は筋肉の合成を促し、植物性のたんぱく質は筋肉の分解を抑制する働きがあるため、両者をバランスよく摂取することが大切なんだそうです。
代謝アップに必要なたんぱく質も、過剰摂取では逆効果になりかねません。たんぱく質は、「1食20g」を目安にコンスタントに摂るのが大切です。動物性なら脂身が多い肉は控えめにして、鶏むね肉のような脂肪分が少ない良質なたんぱく質を、植物性なら豆腐製品を選ぶのがオススメ。日頃の運動量が少ない人は、室内でできる筋トレで筋肉を鍛えることも大切なんだそうです。
最近では、コンビニでもサラダチキンや豆腐バーなど、手軽にたんぱく質が摂れる商品が登場しています。運動不足や体重増加が気になる方はこのような商品も活用し、日々のたんぱく質摂取量から見直してみてはいかがでしょうか。
(美容・健康ライター Nao Kiyota)