俳優の谷原章介が6月7日放送の「めざまし8」(フジテレビ系)に出演。東京都の小池百合子都知事が人流抑制を目的に掲げるキャンペーン「8時だヨ!全員かえろう」について苦言を呈した。
東京都では、小池知事が4日の定例会見にて、夜間の人流が増えるに伴い、新型コロナウイルスの新規感染者数も増加しているとの分析結果を強調。「だからこそ、“8時だよみんなかえろう”と。働き方の意識も変えていただきたい。諸外国では家でご飯を食べに帰ってこないお父さんは離婚なんてこともある」とし、平日夜間の人手を減らすべく、「8時だヨ!全員かえろう」キャンペーンを推し進めることを決めたという。
コロナ禍の自粛生活を促すための大真面目な施策であることは間違いないが、谷原はそのキャンペーンタイトルについて「僕らドリフ世代が響くキャッチコピーを使われても、若者には届かないだろう」とコメント。1969年に放送を開始したお笑い番組「8時だョ!全員集合」をもじったコピーが高齢者向けであるとし、「志村さんが亡くなっているのに、なんでキャッチコピーこんなのを使ってるんだろうって。なんか頷けない」と昨年3月に新型コロナで他界したお笑いタレントの志村けんさんの名前を出しながら、コピー名への違和感を口にした。
「志村さんにとっての出世作ともいえる『8時だョ!全員集合』。谷原はそんな彼の存在を想起させるコピー名をコロナのキャンペーンに使用することが不適切だと感じているようですが、ネットやSNSでは様々な見解が集まっています。『無神経なコピー』『よくこんなキャッチコピーを使用しようと思ったな』『センスと配慮のないキャッチコピー』『谷原さんに激しく同意』とする谷原の意見に近いものや、『ドリフの3人が“志村の死を無駄にしないでほしい”と神妙な顔で訴えれば、それなりに効果はあるんじゃない?』『志村さんも不謹慎なんて思うかな。別に悪く言ってるわけではない』『逆にいいかもしれない。確かにコロナで亡くなられた。だから、余計に響く。コロナは人の命を奪うウイルスだったことを思い起こさせられる』といったコメントも見受けられました」(テレビ誌ライター)
小池知事は昨年3月、志村さんの訃報を聞くと、「謹んでお悔やみを申し上げたいと存じます」とし、「エンターテイナーとして、皆に楽しみであったり、笑いを届けてくださったと感謝したい」とコメント。加えて、「悲しみとコロナウイルスの危険性について、しっかりメッセージを皆さんに届けてくださったという、その最後の功績も大変大きいものがある」と表現していたことから、その別れを無駄にしてはいけないという思いがあるのかもしれない。
若者に向けて今回のコピーがどれだけ響くかは疑問だが、多くのメディアに取り上げられていることは事実であり、一定の拡散効果は見込めるともいえるのではないだろうか。
(木村慎吾)