作家でタレントの岩井志麻子が6月17日放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)に出演し、8日に死産を報告したタレントの南明奈について言及した。
南は4月21日、インスタグラムやYouTubeチャンネル「おうちのまさる」などを通じて、夫でお笑いコンビ・よゐこの濱口優とともに第1子を妊娠し、5カ月目に入っていることを報告。ファンからは多くの祝福の声が届いていたが、6月8日には「ご報告がございます」と書き出したインスタグラムにおいて、「私達夫婦に授かった命は、空へと戻りました。約7カ月という時間でしたが、私達家族は幸せでした。皆様から頂いた祝福の言葉が子どもの生きた証です」と悲しい別れがあったことを告白した。
これを受け、番組では「芸能人は死産まで世間に報告しなければならないのか」といった議論が巻き起こっている現状を紹介。意見を求められた岩井は「これくらいツラいことって、ちょっとないですよね。子供に先立たれるって」と南と濱口に同情すると、「今、芸能人、文化人の方、スポーツ選手の方、有名人の方って皆さんSNSをやっていらっしゃって、すごくファンの方と近くなってますよね」と昨今の芸能界におけるSNS運用の一般化について言及。続けて「私生活やお弁当の中まで見せたり、普段、こんなことをやってますとか。それを見て親しみを感じて、ますます好きになるっていうのもあるんでしょうけど、私は自分自身、全くSNSをやってないんですよね。ちょっと思うところがありまして」と述べ、SNSにて生活のあらゆる場面を発信・報告するスタイルには複雑な思いがあるようだ。
岩井自身は「すごく好きな芸能人の方とか憧れの作家さんとかの私生活を知りたいとも、見たいとも、会いたいとも思わないんですよ。作品と本人は私の中で別なんですね」としつつ、「どっちが正しいわけじゃなくて、親しみを感じるのはそれで良しなんですが」と、一長一短あるタレントのSNS運営について考えを巡らせた。
「そもそも南は妊娠が発覚した時点ではなく、5カ月目の安定期に入った4月21日に世間へ妊娠を発表しており、それまでは彼女が妊娠していることを誰も知りませんでした。その日の報告以降はYouTubeなどの各媒体にて、その後の容体や妊活の経緯などを詳しく説明。ファンからのコメントは『全部読んでいます』とし、同じように妊娠を控える女性や子育てに励む“先輩ママ”らに向けて、『みんなで情報交換できたりしたらいいね』などと語っていました。出産前のこうした南の発信を楽しみにしていたファンも多く、SNSでのつながりをもたらしたことは間違いないですが、その反面、最後の結末まで報告しなければならないような義務感に近い雰囲気も生まれてしまったことは事実でしょう。
ネットでは、南の死産の報告を巡り、そもそも著名人がSNSでプライベートな発信をすることに疑問を投げかけた岩井に対して、『私も岩井さんと同じ考えです』『確かに。大人の意見、対処かもしれません』などの声が寄せられました。その一方、南が5カ月目での妊娠をすでに発表していたことから、どこかでファンに向けての説明をしなければ、SNSにはその後の容体や出産に関して多くの質問や憶測が飛び交うことにもなります。彼女自身の心労を考慮すれば、自分の言葉でしっかりと説明しておきたいという思いもどこかにあったかもしれません」(テレビ誌ライター)
扱い方によってはプラスにもマイナスにも働きうるSNSの運営。何が正解かは一概には言えないが、今はただ南と濱口が心身ともに快復できることを願うばかりだ。
(木村慎吾)