またひとり、日本のエンタメ業界に大きな影響を与えた人物がこの世を去った。
ジャニーズ事務所は8月17日、藤島メリー泰子名誉会長の死去を発表。葬儀は故人の遺志により、すでに近親者のみで執り行い、「お別れの会」などを行う予定はないという。
メリーさんが亡くなったのは8月14日午前7時35分。肺炎のため都内の病院で死去。93歳だった。自身は19年のジャニー喜多川さんの死去を機に、娘の藤島ジュリー景子氏と滝沢秀明氏に経営を任せ、一線を退いていた。
「メリーさんは19年に亡くなったジャニー喜多川さんの実姉。全盛期はジャニーさんが制作を通じてタレントの育成を担当、メリーさんは事務所の経営やタレントの管理を担い、その豪腕振りから『芸能界の女帝』と恐れられました。ジャニーズ事務所がここまで大きくなったのはメリーさんの手腕によるところが大きい。裏方に徹していたのでメディアに登場することはジャニーさん同様、ほとんどありませんでしたが、その存在がクローズアップされたのが15年の『週刊文春』に掲載されたインタビュー。この中で、事務所内の“派閥争い”が話題に出て激高。当時SMAPのマネージャーだった飯島三智氏を取材中に呼び出し、叱責したことが引き金となって翌年、“SMAP独立騒動”が起きました。良くも悪くも芸能界に絶大な影響を与え続けた人です」(芸能記者)
訃報に際して、所属タレントのみならず、退所した近藤真彦や田原俊彦、元少年隊の錦織一清、元タッキー&翼の今井翼らも追悼メッセージを発信。その影響力の大きさをうかがわせたが、一方で木村拓哉を除く元SMAPメンバーたちは19日現在も沈黙を守ったままだ。
ネットでも《長い間お疲れ様でした。ご冥福をお祈りいたします。これからはタッキーが頑張ってくれるでしょう!》《SMAPファンとしては複雑な気持ちがありますが、ジャニーズ事務所がここまでの影響力を持ったことには彼女の功績が大きかったのでしょう。ご冥福をお祈りします》などSMAPやジャニーズ事務所にとってのターニングポイントとなることを意識した声が多数寄せられた。
果たして、これからのジャニーズ事務所、そして芸能界にどのような変化が訪れるのだろうか。
(柏原廉)