今年4月に「株式会社TOKIO」を設立し、副社長(企画)に就任した国分太一。メンバーで同社社長の城島茂、同じ副社長(広報)の松岡昌宏より常にレギュラー番組が多く、ナインティナインに仕込まれたバラエティスキルはピカイチだ。
ナイナイとは「ぐるナイ」(日本テレビ系)の名物企画「ゴチになります!」で19年間もの長きにわたって共演。17年の番組卒業まで、“ミスター・ゴチ”の異名を取った。
国分がナイナイからバラエティの洗礼を浴びたのは24歳の時。「ゴチ」が始まったばかりで、矢部浩之も岡村隆史もそろってまだ手探り状態。不慣れな国分は、「間が早い」「今、お前のせいで笑いが1個なくなったぞ」と収録中でも厳しく指摘された。矢部からはマジギレされ、顔面を殴られたこともあるという。
過酷なロケも多かった。いつしか矢部が長男、国分が次男、岡村が三男という3兄弟の構図ができあがり、あらゆる現場に赴いた。草が生い茂る村に突入した時は、死にかけたこともある。
「先頭が矢部、次に岡村、最後に国分という列で突撃したのですが、矢部が蜂の巣を刺激してしまい、岡村がそれを蹴った。すると、後ろの国分が『痛っ!!』と大絶叫。驚いて飛び散った蜂に襲われたのです。次の瞬間、岡村はチャックを下ろして、『応急処置したる』と国分に小水を噴射。小水が虫刺されに効くというのを聞いたことがあったからです」(芸能ライター)
国分は「ここまでするんだ、この人は」と芸人魂に度胆を抜かれた。同時に必死になってくれた岡村に感謝した。
“3バカ兄弟”は、00年の「24時間テレビ 愛は地球を救う」(日テレ系)にも出演している。同年のチャリティーパーソナリティーはRIKACOと、ナイナイの吉本興業の後輩にあたる藤井隆。番組パーソナリティーは、TOKIOの後輩であるV6。ナイナイはスペシャルパーソナリティーだった。
しかし、ナイナイはメイン会場である日本武道館ではなく、24時間以内に7cmのオオクワガタを捕獲するというミッションをクリアするため、ロケに駆り出された。
東京から遠く離れたその場所で、国分はファイバースコープという重い機材を持たされて、3人で密林に潜入。木の穴にファイバースコープを突っ込み、オオクワガタを探し続けた。何が潜んでいるかわからないため、木からムカデのようなものが飛んでくることもあった。あまりの辛さで疲弊し、岡村が怒り、雑用係と化していた国分とケンカになることもあった。結局、24時間で捕まえられたのは、1~2cmの小クワガタ。国分が奮闘中、日本武道館ではTOKIOのメンバーが歌っていた。
「ぐるナイ」ではかつて、人間ドックを受診する企画もあった。バリバリのアイドルだった国分は、直腸検査を受けさせられている。当時の口癖は、「これ、何がおもしろいんですか?」。番組の英才教育、ナイナイのスパルタ教育で、笑いのボーダーが完全に麻痺していたようだ。
この数年で、「NGなしジャニーズ」を標榜するタレントが増えてきた。しかし、お笑いタレントにおしっこをかけられたジャニーズは唯一無二。国分太一は無敵だ。
(北村ともこ)