頭痛持ちの人は仕事や家事に支障が出ないよう、いろんな対策をしていることでしょう。でも、何をやってもどうしようもないこともありますし、「この痛みは誰にも分からない……」と、ふさぎ込んでしまうこともあるのでは。
そんな片頭痛に悩む人向けに、アムジェン、日本頭痛学会、JPAC(頭痛医療を促進する患者と医療従事者の会)主催のオンラインイベント『片頭痛コントロールカレッジ』の第1回目が開催されました。
そこでは、頭痛の種類やメカニズムと片頭痛への対処法が紹介されました。片頭痛持ちの方は、医師処方の治療薬とともに、次の対処法を試してみてはいかがでしょうか。
■頭痛ダイアリーをつける
最近、発生メカニズムの研究をもとに最新の予防薬が登場するなど、進歩している片頭痛の治療。そうした治療薬を使用するときにおいても、自分の頭痛がどんな特徴があるのかを知る必要があります。
そこで役立つのが、「“頭痛ダイアリー”をつけること」だと、埼玉国際頭痛センターセンター長の坂井文彦さんが述べていました。自分で頭痛を観察して整理できる他、頭痛情報が医師に伝わり、再診の際に診断の確認や治療作戦がたてられるというメリットがあるようです。また、頭痛の誘因探しをしてみるセルフケアにもつながるそう。
頭痛ダイアリーは、日本頭痛学会の公式サイトでダウンロードできるフォーマットに、毎日「午前・午後・夜」に頭痛の程度を記号で書き、頭痛のタイプや吐き気、前ぶれ、誘因などをメモ書きするもの。薬を使ったら、それが効いたかどうかも記します。まずは頭痛ダイアリーを書き続けて、自分の頭痛を客観的にみてみましょう。
■まぶしさや騒音を避ける
さまざまな生活習慣からの予防策がある中で、仙台頭痛脳神経クリニック院長の松森保彦さんは、「まぶしさや騒音を避けることが大事なことの一つ」といいます。というのも、片頭痛の人は光や音に敏感で、これが誘引にもなるからとか。人混みや騒音の激しいところは避け、日差しの強いときにはサングラスや日傘を使うことを勧めています。
■腕を振る運動を行う
前出の松森さんは、「軽い運動を行うのも片頭痛予防になる」といいます。それが、腕を振ること。まずは軽く両足を開き、まっすぐ身体の真ん中の軸を意識して立ちます。そして頭を動かさないように両腕を胸の高さまで上げて曲げ、左右に振ります。このとき、腕の力は抜くこと。これを左右交互に2分間繰り返します。やり終えた後、なんだか頭がスッキリするように感じるとか。
片頭痛に悩まされている人が多い中、人によって症状や誘因はそれぞれ異なります。ぜひこれらの対策を実施しながら、うまく自分の片頭痛と向き合っていきたいものですね。対策を行ってもよくならない場合や悩んだときには、我慢せず、専門医を受診しましょう。
また、片頭痛の痛みやつらさが周囲に理解されず苦しんでいるというのも、患者さんの共通の悩み。今後は、周りの理解も広がっていくといいですね。