今年8月でデビュー10周年を迎えたKis-My-Ft2。KAT-TUNと同じく、メンバーの頭文字がグループ名になったパターンだ。「K」が北山宏光、「i」が脱退した飯田恭平さん、「s」が千賀健永、「M」が宮田俊哉、「y」が横尾渉、「F」が藤ヶ谷太輔、「t」が玉森裕太、「2」が二階堂高嗣。飯田さんが抜けてからは、北山が「Ki」を担った。
7人に至るまでには紆余曲折あった。ジャニーズJr.時代、北山と一緒にローラースケートをはいて先輩のバックダンサーを務めていたのはNEWSの増田貴久だった。その頃、増田のキスマイ入りはJr.やファンの間で周知の事実で、「M」は増田と目された。ところが、増田は03年にNEWSでデビュー。05年にKis-My-Ft(当時)が誕生したあともなぜか、“Mの助っ人”として加わることがあった。
増田は、藤ヶ谷とも深い縁があった。2人は98年入所の同期。同じ高校出身で、増田が1学年上。NEWSのデビュー時には、藤ヶ谷がNEWSに入るのではないかと噂されたことがある。
アイドル雑誌にNEWSのメンバーに選出されたJr.全員のシルエットが出ると、そのうちの1人が藤ヶ谷ではないかと言われた。実際、学校では困ったことになったという。
「2人は先生に呼ばれてシルエットを示され、『自分がどれだか言いなさい!』と迫られたそうです。その時点で藤ヶ谷は増田のNEWS入りを知ってはいたけど、かん口令が敷かれていたため言えない。集まった生徒たちはパソコンを見て、どのシルエットが藤ヶ谷でどれが増田か議論していましたが、藤ヶ谷はダンマリを決め込むしかなかったそう」(アイドル誌ライター)
藤ヶ谷は「まぁまぁ」とごまかしたのだとか。
のちにNEWSがデビュー。すでに俳優活動をしていた増田はさらに忙しくなり、学校に来られなくなった。一方で、Jr.としても放置されることが多かった藤ヶ谷は皆勤賞。その差は歴然としていた。
キスマイは、05年の結成からデビューまでに6年もかかっている。下積み生活は長く、ジャニーズの王道を歩むまでの道のりも険しかった。しかしデビュー以降は、メンバーの増減がなく10年のアニバーサリーを無事に迎えた。メンバー全員でラジオ、地上波、NTTドコモの専門チャンネルでレギュラー番組を抱える珍しい7人組だ。
藤ヶ谷も、今となってはNEWSから漏れたことを笑って話せるのかもしれない。
(北村ともこ)