ブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」日本版が来年秋に再々演されることが11月4日、公式サイトで発表された。16年と19年に上演され、好評を博した同作で昨年7月に亡くなった俳優の三浦春馬さんが演じたドラァグクイーンのローラ役は三浦さんの親友でもある俳優の城田優が引き継ぐことも発表された。
同公演は05年の同名映画を舞台化したもの。老舗の靴工場の4代目として生まれたチャーリーが意図せず工場を継ぐことになったが、工場は経営難で倒産寸前。しかし、ドラァグクイーンのローラと出会ったことからヒントを得て、危険で妖艶なドラァグクイーンのためのブーツ“キンキーブーツ”を2人で作り、工場の命運を賭けることを決意するという物語だ。
公式サイトには3度目の公演に向けて主催者のコメントが掲載。「多くのご声援をいただいた2019年の再演の後、私たちは3度目の公演にむけて動き出しておりましたが、昨年私たちは大きな存在を失い、一時は公演を断念することも考えました。しかしながら、これまで日本のキンキーブーツを牽引してくれた三浦春馬さんの思い出と、彼がこの作品に捧げてくれた愛情とともに、私たちは『日本にはキンキーブーツが必要だ』という強い思いのもと、2022年の再々演の歩みを止めないことを決意いたしました」と再々演に至った経緯を説明。
さらに「ローラには、今回城田優さんがオーディションに参加してくださり、これまでともに歩んできたブロードウェイチームも城田さんのオーディションムービーを見て、彼のローラでいきましょうと、すぐに連絡をくれました」と城田のキャスティングはオーディションだったことも明かされた。
しかし、ネットでは《三浦春馬さんのファンにとっては複雑だと思います。三浦春馬さんのローラも完全版をちゃんと映像化して後世まで残してほしいです》《ほかのキャストはそのままで、彼のところにだけポンッと城田さんかあ。順当と言うか、有無を言わさぬキャスティングですね。きっと大喝采を浴びるでしょうが、その前に彼のバージョンを映像化していただけませんか?》《変わっていくことは仕方がないことだとわかっていても、三浦春馬さんのローラでキンキーブーツの完全版の映像を見られることを願ってた》《いつかは違う俳優で再上演されるとは思ってましたが‥‥。春馬君が努力して頑張ったローラ。ブロードウェイスタッフ様お願いです。春馬君のローラを円盤化して、後世まで残してください。お願いします》など複雑な思いを語る声と、映像化を熱望する声が続出している。
「三浦春馬さんが亡くなった直後から『キンキーブーツ』の映像化の声は絶えず、ネットでは署名活動が行われるほどでした。そういった声を受けてか20年10月27日に主催者はYouTubeに『Kinky Boots Haruma Miura Tribute movie』と題した22分弱の動画をアップ。内容はスタッフたちの追悼メッセージと、舞台の歌唱シーンを中心としたダイジェストという構成でした。この動画は『特別な許諾』により実現できたもので、そこで一旦映像化の声は沈静化したのですが、今回の再々演のニュースによって再び要望が高まっているようです。しかし、映像化は楽曲の使用など権利の諸問題で難しいのが正直なところのようです」(芸能記者)
三浦春馬さんバージョンの「キンキーブーツ」は、もう見ることができなくなってしまうのだろうか。
(柏原廉)