黒木瞳の初監督作品「嫌な女」の完成披露上映会が6月15日に行われ、黒木はダブル主演の吉田羊と木村佳乃を従えてステージに登場。その光景はまさに主役・黒木瞳だった。
記念撮影では映画初主演の吉田をセンター据えたものの、まぶしいほどの白いドレスを颯爽と着こなした黒木は、黒系の衣装を着用した主演の二人に背を向けるようにモデル立ちし、「主役は私よ」と言わんばかりの存在感を見せつけたのである。この様子について芸能ライターはこう指摘する。
「白と黒の衣装が並ぶとき、黒い衣装はディテールがつぶれてしまうため、白い衣装をメインの人物に着てもらうのが一般的。つまり今回は、メインは黒木だと主催者側が宣言したのも同然なのです」
この作品は黒木が原作小説に惚れ込み、映画化に際しては適任の監督が見つからず、黒木が自ら監督を買って出たという触れ込みだ。だが今年3月には黒木の主演でドラマ化されており、それなのにドラマと映画では製作スタッフや出演者が異なるという不思議な関係になっている。そんな作品について映画ライターはこう語る。
「普通ならドラマをベースに映画化を進めるのに、両作品に関連性がないのは実に不自然な話です。もしかしたら黒木が映画監督に初挑戦する題材として、勝手の分かっている本作品が好都合だったのかもしれません。しかし俳優・女優の監督作品には成功例がほとんどないのも現実。本作でも吉田と木村という名女優を無駄遣いした結果に終わらなければいいのですが」
この調子では映画館には閑古鳥が鳴きそうな勢いだ。しかし黒木にとっては映画監督という新たな肩書きを得たいま、完成披露上映会の“主役”を務めた時点で、この映画を作った意義は達成されたのかもしれない。
(白根麻子)