彼を褒める・褒めない……どっちがいいの?

 よく「褒めるほうが好印象を持たれる」といいますよね。これはある意味事実で、心理学的にもひとつのメソッドとして成立しています。どう褒めればいいかという具体例まであるほどです。

 例えば、人を褒めるときにはやみくもではなく、【自我関与度】の高いところを褒めることです。自我関与度とは、その人が気にしている部分。お洒落を自負している人ならファッションを「ステキですね」と褒めるとか、ワインに詳しい人なら美味しいワインのお店を尋ねてみるということです。

 ただ、これらは一般的な人を褒める場合の話。超がつくほどモテる人や超お金持ちの人たちの場合は褒められ慣れていますので、逆に自我関与度の低い部分を褒めるほうがいいともいわれています。褒められ慣れていない部分を褒められると、「え、そこ?」と新鮮な気持ちで受け入れてもらえるということなのです。

 でもその一方で、褒めないほうがいいという説もあります。

 例えば、一緒に住む彼が少しだけ家事を手伝ってくれたとしましょう。普段はあなたがしているゴミ出しを彼がしたとします。彼としては「まずは少しだけ手伝ってみよう」と、ほんの少しの手伝いに引け目を感じながらもやってみたとしたら、それをことさら褒められると「いや、本当は自分はもっとできるんだけどな……」と、不機嫌になるケースが出てくるのです。

 自分と同じようにゴミ出しをしながらも、「どうしてそれしかしてくれないの」と彼女から怒られている友だちが彼にいたとしたらなおさらのことです。こういうとき、彼の頭の中には、次のような考えが浮かびます。

「あいつが彼女から怒られたのは、彼女から“もっとあなたはできる人”って思われていたからなんだ。それに比べて自分は、この程度のことで褒められてしまった。それはつまり、彼女からまったく期待もなにもされていないということ。俺は家事能力が低いということなんだ……」

 そんなふうに彼が思う可能性があるということです。まったくもって、人というのはやっかいな生き物ですね。褒めても褒めなくても、機嫌をそこねる可能性があるわけですから。

 心理学者アドラーは、徹底して「褒めることはその人のためにならない」といいます。人は褒められることに慣れると、褒められないと何もしない人になってしまうからとか。ですから、アドラーは“飴と鞭”の価値観を徹底的に否定するのです。

 同じ心理学の世界でも、褒めるほうがいいという意見と褒めないほうがいいという意見があります。どちらも聞くと「なるほど」と納得してしまいますが、あなたはどちらを選びますか? 直感で“こっち”と思うほうをやってみてくださいね。

安藤房子(あんどう・ふさこ) 恋愛心理研究所所長。離婚を機に日本初の恋愛カウンセラーとして独立。メールカウンセラーの草分け。心と身体両面からのアプローチで婚活・恋活女子を応援。著書は韓国・中国でも翻訳出版。心理テストの作成やメディアでMCとしても活躍中

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