芸能人による宅配サービスに関する投稿が炎上するかどうかは、価値観を伝える際の言い回しや表現に左右されるようだ。
8月31日、ウーバーイーツへのストレートな思いを綴ったツイートが「上から目線」だとして、賛否をもたらすケースがあった。コピーライターの糸井重里氏によるツイートである。
糸井氏もまた、今田と同様、宅配サービスを利用することには後ろ向きなようで、ツイッターにて「ウーバーイーツ?って頼んだことないんだけど、配達してくれる人の服装の清潔感とかサンダル履き禁止とか自転車の汚れ方とかについてのルールはないみたいだね」と投稿。配達員の身だしなみや衛生管理について物申したツイートが「上から目線」だとして反論を集めることになったのだ。
「やはり、食べ物を配達するサービスである以上、最低限の衛生ルールをもうけるべきだとほのめかした糸井氏でしたが、これに対し、『最低限の清潔さは必要だと思いますが、1件運んで300円の現状を知っていますか?』『糸井重里、骨の髄まで“上級国民病”なんだな。さよなら』『利用したこともないのに配達員を一括りにして印象悪くなるような発信されるのは悲しいですね』『台風の日だって運んでるんですよ』など多数の反発が。
コロナ禍で外出を控えたい多くの層による需要を満たしてくれているサービスだとして、そうした点への配慮に欠けたツイートだったと問題視されました。また、ウーバーを利用したことがないにも関わらずネガティブな情報を発信した部分にも、多方面から苦言を呈されています。もちろん、『どんな職業でも清潔感のない人は嫌だよ。当たり前のことでしょ』『糸井さんは全然悪くない。清潔感がないとまた注文しようと思わなくなるし、ウーバーにとっても不利益。そこはウーバー側が考えないといけない』などと糸井氏の考えに共感する人も多く、ウーバーに関する言及は常に賛否が分かれるのも大きな特徴と言えるかもしれません」(テレビ誌ライター)
モデルでタレントのダレノガレ明美は、ウーバーイーツの独自の利用スタイルによって、その“上級国民っぽさ”を見せつける格好となった。
ダレノガレは7月1日放送の「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)の中で、月に4万円ほどをデリバリーサービスに費やしていると告白。「朝とか、コーヒー飲みたいなって思う時にコーヒーだけ頼んだりする」とし、店舗での価格が1杯450円のコーヒーを、送料やサービス料を含めた総額1300円を支払って注文するのだという。
このダレノガレによる、コーヒー1杯でのウーバー利用に対し、一部から「Uberに飲み物買うだけで頼むな!」との苦言が寄せられると、放送翌日にダレノガレが反論ツイートを投稿した。「お店が今コロナで大変だから少しでも売り上げにつながるし、Uberで配達してくださってる方にもお金が入るから私的には自分が悪いことしてる気にならないかな。コロナ中はUberとか使って少しでもお店の貢献をしたいと思う派」とし、経済的な観点から、その利用法に罪悪感は抱いていないと主張した。
「同様のケースでいえば、フリーアナウンサー・大橋未歩もタピオカのみでのウーバー利用でお叱りの声を受けたといいます。9月9日放送の『5時に夢中!』(TOKYO MX)に出演した大橋は、“自分がセレブだと感じる瞬間”に関するトークの中で、『私はこの番組でタピオカミルクティ1杯をウーバーイーツするって言ったら炎上したんです』と告白。『やっぱり、やっちゃいけないし、言っちゃいけないんだなって、オンエア中に気付いて。その時にもしかしたら(金銭感覚が)ちょっとズレてるのかなとは思いました』と反省し、現在は『もうやってません。すみませんでした』とのこと。自分は悪いことをしてるとは思わないと強く主張していたダレノガレとは対照的に、大橋はやっちゃいけないことだと感じ、タピオカのみの注文をすることはやめたようです。
しかし、ネットからは、大橋に対して『タピオカ屋なんて、大抵みんな1人1杯が普通。その店がウーバー配達やってるんだから、何も悪くないよね』『配達員にとっても、飲食店にとってもありがたいよね』『ウーバーのシステム上、問題ないし、何が悪いのかがわからない』などと擁護する声が多く見られました。ウーバー側が禁止していないどころか、1件でも多くの注文が欲しい飲食店からすれば、むしろありがたいのではないかとする指摘も寄せられています」(テレビ誌ライター)
発信する際には、自身の影響力について少し考えてみるのもいいかもしれない。
(木村慎吾)