昨今の芸能界では、ワイドショーや情報番組に、コメンテーターとしてお笑い芸人を起用するケースが増えているが、その発言に対して視聴者から反発の声があがることも少なくない。とりわけ、直近2年間ではコロナ禍に関するニュースを扱うことが多く、専門家ではないタレントによるコメントを「時間の無駄」「何を知ってそんなことが言えるの?」などと拒否反応を示す風潮もある。
多くのコメンテーターの中でも、突出して批判を集める機会が多いのが、タレントの松嶋尚美かもしれない。
1月14日放送の「バイキングMORE」(フジテレビ系)では、連日にわたって多くの新規感染者が出ていた最中に、福岡市内の高級ふぐ料亭で、福岡県議会議員ら9人で会食を行っていた自民党議員・石破茂氏について特集。すると松嶋は「なんか、めっちゃ失礼やけど、もう老害としか思えない」と一蹴し、文字通り“失礼な発言”だとして物議を醸した。同7日放送の「バイキング」では、石破氏の9人の会食を大きく上回る規模の「90人年越しパーティ」の主催で炎上したデヴィ夫人についても取り上げたが、この際、松嶋は「(感染対策に)ホンマに自信があったから主催したと思う」と擁護。さらに「(出席者からは感染者が)1人も出てないから、ね? 良しとする、みたいな感じ」と話し、石破氏とは大きく見方の異なるコメントを残していた。
「9人の会食も、90人の年越しパーティも、コロナ禍においてはどちらもリスキーなものと言えますが、石破氏には『老害』との烙印を押し、デヴィ夫人のことは擁護する松嶋の“二枚舌”ぶりが話題に。しかも、90人のパーティ参加者からは感染者が1人も出ていないという主旨の発言についても、その後の検査の経過や、無症状での感染者の存在を把握していないものであり、やや的外れなものだと言わざるを得ません。
また、日本で初めて緊急事態宣言が発出された昨年4月、同番組にリモート出演した松嶋は『めっちゃ正直なこと言うと、昨日、友達と遊んじゃって。家で。ちょっと心苦しい中で“本当に今日が最後よ”みたいな』と、宣言下における自身の気の緩みを笑いながら告白。MCの坂上忍も苦笑いのリアクションを見せ、視聴者からも『ドン引きした』『まじで不愉快』などの声があがっていました。もちろん、当時はまだ新型コロナウイルスの恐怖や、新たな生活様式との付き合い方が確立されていなかったという事情はありますが、松嶋にはどこか、他人に厳しく自分には甘いというイメージが根付くことになってしまいました」(テレビ誌ライター)
「バイキングMORE」は、3月で終了。松嶋のコメントに気を揉むこともなくなるということになる。
(木村慎吾)