お笑いコンビ・雨上がり決死隊の宮迫博之と蛍原徹は2021年8月17日に解散を発表した。32年にわたって苦楽をともにし、深い絆があった2人の決別には、多くのファンが驚かされたが、吉本興業の大崎洋会長は同21日、「週刊文春」の取材に対し、「(宮迫に頑張れという気持ちはある?)それはないけどね」「吉本以外の人のことは、気を回す余裕もないから」などと一笑に付した。
宮迫と吉本のドンが冷めた関係性になってしまった原因は、2019年夏に勃発した闇営業問題であることは言うまでもない。
「同年6月、宮迫は複数の後輩芸人とともに2014年末に反社会的勢力の忘年会で直の営業(闇営業)を行っていたことが報じられました。タレントの闇営業自体はそれほど珍しいことでもなく、芸人と事務所間で話し合うべき案件ですが、同一件で問題視されたのは、宮迫による『お金は受け取っていない』という虚偽報告でした。しかも、宮迫はともに参加したロンドンブーツ1号2号・田村亮らにも金銭の授受がなかったと嘘の報告を行うよう仕向けていたことも発覚。これを発端に宮迫側と吉本興業の信頼関係にヒビが入り、7月20日には、宮迫と亮が並んで、吉本の岡本昭彦社長からの高圧的な扱いを告発するゲリラ会見を行いました。宮迫は自身の虚偽報告を反省するとともに会社との決別を選ぶと、その後はYouTubeの世界に活路を見出し、今や登録者140万人を誇る人気ユーチューバーとして活躍。一方、吉本興業所属ではなくなったこともあり、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)ほか地上波レギュラー番組への復帰は叶っておらず、テレビで宮迫を見ることはなくなってしまいました」(テレビ誌ライター)
ユーチューバーとしての宮迫は、往年のキレや話術を感じさせる充実ぶりではあったが、今年2月には、吉本への復帰を絶望視せざるを得ない出来事もあった。
宮迫は事あるごとにYouTube動画の中で「いずれは吉本に戻りたい」「蛍原といつかテレビに出たい」などと語ってきたが、2月12日発売の「FRIDAY」直撃取材に応じた大崎会長は、そんな宮迫に関して「もう戻らんでええと思うで。いちいちYouTubeでネタにすんなって話や。辞めてまで吉本のことをネタにすんなよ」と言い放ったのだ。
蛍原は今年春に宮迫との別れを決意したというが、吉本トップによる、明らかに苛立ちが伝わるこの発言が、雨上がり決死隊の解散を間接的に導いた可能性も否定できないだろう。
「水曜日のダウンタウン」(TBS系)は2021年、みごとにおぼんこぼんを和解させて大きな話題となった。しかし、そんな番組をもってしても、おそらく吉本と宮迫の和解は困難なミッションに違いあるまい。
(木村慎吾)