“演歌の貴公子”として知られてきた歌手の氷川きよしのイメージが崩壊寸前であることを1月6日、ニュースサイトの「日刊ゲンダイDIGITAL」が報じた。
同記事によると、「カラフル」がテーマだった21年末の「NHK紅白歌合戦」に出場し、美空ひばりの隠れた名曲「歌は我が命」を披露した氷川に今、もう1つの“カラフル論争”が起きているというのだ。
氷川といえば、デビュー20周年を目前にした19年に「氷川きよし君は卒業して、これからはきーちゃんで」と宣言し、ボーダーレスキャラに変身。しかし、そんな“きーちゃん”に所属事務所が難色。氷川は演歌歌手として結果も出してきたが、もともとはポップスやロック志向。デビューが演歌だったのは、ライバルがいないため勝機があると読んだ所属事務所が戦略的に演歌歌手としてプロデュースしたからだという。しかし氷川は、これからは音楽もファッションもジャンルにこだわらず“自分らしく”やっていきたいと考えているといい、そこで“演歌の貴公子”のイメージを壊したくない所属事務所と氷川との譲れない攻防になっているというのだ。
一方でファンは氷川の進化したビジュアルを肯定的にとらえているといい、ネットでも《今の感じの氷川さんは楽しそうで応援したくなる》《演歌か否かなんてジャンル分けする必要もない。彼の歌は「氷川きよしの歌」でいいでしょう。最近の彼はイキイキしていてとてもいいと思うのだけど》《氷川君は、ちゃんと使い分けてるよね。コンサートでは前半氷川きよし、後半kiinaとか。明治座では全面氷川きよし貫いてるし》など氷川に寄り添う声が圧倒的だ。
「氷川自身は昨年5月に『週刊女性』のインタビューの中で『“これでなきゃいけない!!”って自分を型に押し込めると窮屈になっちゃうから(笑)、その時その時に縁がある作品を、その時代に合わせて歌っていきたいな』と語っており、求められれば演歌やポップス、ロックなどを歌い分けていくというスタンスのようです。
呼び名についても最近は複数を提唱しており、旧来の“きよし君”のほかに“kii(キイ)”、“kiina(キイナ)”などがあります。ちなみに“kiina”は『kiiがnatural』で“kiina”ということで、自然体であることを表しているとか。いずれの呼び名についても氷川は同インタビューで『それぞれの自由でいいです』とファンに委ねることを語っており、どこまでも縛られないスタンスのようです」(芸能事務所)
少なくとも氷川の中では、すでに“演歌の貴公子”から新たなステージに移っているのは確かなようだ。
(柏原廉)