あと2話しかないのにこれまでの伏線がすべて回収できるのか、視聴者から疑問の声が起きている西島秀俊主演ドラマ「真犯人フラグ」(日本テレビ系)。
西島演じる凌介は、妻の真帆(宮沢りえ)が不貞していたことに気づかず、妻と仲がいいという理由だけで自宅の合鍵を隣人・菱田(桜井ユキ)に渡し、つい最近まで出入り自由にさせていたり、2度も殺害されそうになり、どちらも不死身なのかと首をひねりたくなるほどの回復力を見せたり、ツッコミどころ満載なオトボケお人好しキャラだ。凌介が聡明で常識的な危機管理能力のあるキャラだったら、2クールにもおよぶ「考察ドラマ」になっていなかったことは確かだろう。
西島は今作ドラマ放送中に主演映画「ドライブ・マイ・カー」で日本作品としては62年ぶりの受賞となった「第79回ゴールデングローブ賞」での「非英語映画賞」をはじめとする数々の賞を受賞。国内外から注目を集める、押しも押されもせぬ「映画俳優」になった。アイドル俳優ではなく映画俳優になりたくて大手芸能事務所を退所し、民放テレビに出演できなかったり、単館上映しかされない小さな映画作品にしか出演できなかったりした過去が、きちんと西島の血となり肉となった結果と言えるだろう。
「だからこそ一部では、今後は西島がドラマでなく映画に重心を置くようになるだろうと言われているのだとか。それはつまり、テレビ出演が減るということ。そのため『真犯人フラグ』は西島にとって、後に貴重なドラマ作品だったと言われるようになるのではないか、とも。西島が優秀な刑事や弁護士といったスペシャリストではなく、オトボケ一般人を演じている作品は少ないですからね」(映画誌ライター)
NHK Eテレで放送中の5分間アニメ「オトッペ」でかっこいいワードをよく言うウエスティ、2019年5月公開のアニメ映画「名探偵ピカチュウ」で主人公の名探偵ピカチュウの声優も務めている西島。それらのアニメ作品も「貴重作品」と呼ばれる日が来るかもしれない。