朝方はまだちょっと肌寒い今の時期、起き抜けの血圧上昇には注意したいものです。
日本高血圧協会理事長である島本和明さんによると、寒くなると体温を逃さないように血管を収縮させるため、血圧が上がりやすくなるそう。とくに朝起きたときは、1日のうちで最も血圧が上昇しやすいことから、対策が必要なようです。
■起床前のエアコン暖房で血圧上昇を抑える
三菱電機とオムロンヘルスケアが、冬の起床時の血圧について共同で実験を行った結果、起床前にエアコン暖房を活用することで、起床時の血圧上昇を抑えられることが分かったそうです。
島本さんは、暖かい布団から寒い寝室に出たときや裸足で冷えた床に接したときなどは血圧が上昇しやすくなることから、血圧変動のリスクを下げることができる対策として、暖房機器のタイマーを使って起床時の室温を調整しておくこと、暖かい室内用の履物を準備しておくなどの工夫をすることを勧めています。
さらに実験では、「床から高さ1m」よりも「床付近」の温度をコントロールすることで、起床時の血圧の上昇が抑えられることも判明。足首は温度の差を感じやすい部位とされていることから、起床時は部屋全体ではなく、足首に近い床付近の温度を意識してエアコン暖房を利用するといいそうです。
この実験結果を受け、三菱電機霧ヶ峰PR事務局が実施した『冬の起床時のエアコン暖房利用状況』についての調査では、起床時にエアコン暖房を使用している人はわずか22.8%だったとか。血圧変動リスクを下げるために、今後は起床前のエアコン暖房を心がけたいですね。
■寝る前に水か経口補水液を飲む
教えて!「かくれ脱水」委員会副委員長の医師、谷口英喜さんによると、睡眠中は脱水を起こしているために心臓の拍動が早くなり、血圧の上昇につながることがあるのだとか。対策として、脱水を防ぐために寝る前に水を飲み、朝起きたらコップ1杯の水を飲むとよいそうです。
とはいえ、夜中にトイレに行きたくなるのは避けたいもの。そんな人は、水分・塩分・カリウムなどが、無駄なく吸収されやすい濃度で入っている「OS-1」に代表される経口補水液をコップ1杯飲むのもオススメとのこと。寝る前に飲む水を経口補水液に変えたところ、夜中に起きなくて済むようになったという人も多いそうです。
ただし、もともと血圧が高めだといわれている、高血圧の治療を受けているなどの場合は、塩分の摂り過ぎにならないよう、医師に相談したうえで経口補水液を飲むようにしましょう。
寒い時期の朝の血圧上昇対策として、タイマー暖房と寝る前の水や経口補水液の摂取、ぜひ心がけてくださいね。