新型コロナウイルス感染症の流行により、生活や働き方の変化などから生活リズムが崩れがちになり、心身ともに不調が続いているという人も多いのでは?
「なんとなく調子が悪い……」と感じているなら、まずは食事から見直してみるのもひとつの方法です。栄養バランスの取れた食事はもちろんのこと、とくに日本人は不足しがちといわれるタンパク質の摂取も意識したいものです。
農畜産業振興機構の研究報告『タンパク質と脳の栄養~うつ病とタンパク摂取~』によれば、うつ病の患者はセロトニンが減少しているため、気分を明るくする作用を持ち、欠乏するとうつ病になる恐れがある、神経伝達物質セロトニンの原料であるタンパク質を摂取する必要があるのだとか。
タンパク質の構成成分であるチロシン、フェニルアラニン、トリプトファンなどの必須アミノ酸は、神経の活動の伝達に不可欠な神経伝達物質を作りますが、トリプトファンはセロトニンになります。そのため、積極的に摂取したいタンパク質ですが、肉、魚、大豆などたくさん種類があります。どれを摂取すればいいのでしょうか。
東京慈恵会医科大学付属病院栄養部の管理栄養士である赤石定典さんは、次のようにアドバイスします。
「今の日本人のタンパク質不足やタンパク質摂取の重要性は、これまでもいろいろなところで言ってきました。タンパク質はいろいろなものから摂れますが、動物性と植物性をバランスよく摂ることが大事です。とくに大豆タンパクは、タンパク質以外にも重要なレシチン、トリプトファン、オリゴ糖、サポニンなどの栄養素が含まれている点で優れています。大豆タンパクを手軽に取れるのが豆乳ですから、食事に豆乳を取り入れることをお薦めします」
植物性タンパク質といえば、真っ先に思いつくのが大豆。大豆は、豆乳や納豆、豆腐などの形でよく食べられていますよね。中でも、豆乳は「朝からあまり食べられない……」という人でも手軽に摂取できるので便利です。コロナ時代に欠かせないドリンクといえるかもしれませんね。ぜひ、朝食のメニューに取り入れてみてはいかがでしょうか。