春らしいぽかぽか陽気に包まれて、過ごしやすい毎日ですね。でも、ちょっと油断すると“冷え”につながることもある季節です。冷たい飲み物や食べ物を取る機会が増えたり、新しい環境になって緊張やストレスから自律神経が乱れて血行が悪くなったりすると、冷えが蓄積されて慢性化を招くこともあります。
神奈川歯科大学大学院統合医療学講座特任教授の川嶋朗さんは、春でも身体を温める“温熱性食材”を積極的に取ることを勧めています。野菜類は人参、カボチャ、玉ネギ、山芋など。肉・魚は鶏肉、羊肉、鮭、鯖、タラ、フグなど。調味料・香辛料は味噌、ニンニク、コショウ、シナモン、ショウガなど。豆類は小豆、黒豆、納豆などです。
「冷えを放置すると、身体に冷えが蓄積されます。すると、暑い日に汗をかいて体温を下げ、寒い日には呼吸数や心拍数を増やして体温を上げるという、本来身体に備わっている体温調節機能が低下。季節の温度変化に適応できなくなり、1年を通して平熱が35~36℃の低体温になって慢性的に冷えを抱えやすくなります」(川嶋さん)
■春鍋がオススメの理由
温熱性食材を積極的に取り入れたいときにいいのが鍋料理です。料理家の浜内千波さんによれば、実は春鍋には「不足しがちな野菜をたっぷり取ることができる」というメリットがあるそうです。なぜなら、春夏野菜は水分を含むものが多いので鍋に入れるとカサが減り、肉や魚介、ダシの旨味が野菜に加わって美味しくなるから。自然とたくさん食べられるというわけですね。
また、春から夏にかけては強烈な紫外線が気になる季節でもあります。春夏が旬のキャベツやトマト、パプリカ、インゲン、ニラなどには抗酸化成分が豊富に含まれているため、紫外線ケアにも最適なんだそうですよ。
そこで、春から夏にかけて旬となる食材を使った、料理家の安井レイコさんオススメの鍋を2つ紹介していきましょう。
【梅干しとうなぎの鍋】
うなぎの蒲焼とタレを使いながら、梅干しでさっぱり仕上げる春夏にぴったりの鍋料理です。締めは、身体が元気になる梅干し麺やダシ茶漬け風にするのがいいですよ。
【冷しゃぶイタリアーノ】
豚肉、レタス、きゅうり、トマトなど、お好みの具をトマト味のタレにつけて、爽やかな味わいを楽しむ冷しゃぶです。締めは、スパゲッティやショートパスタを入れてスープパスタにすればオシャレですよ。
春鍋は、冷え対策や紫外線対策などいいことづくめ。さっぱり食べられる春ならではの鍋を積極的に取り入れて、この時期を健康に過ごしましょう!