誰からも愛される柔和なキャラクターで知られる人気ユーチューバー・HIKAKINだが、そんな彼の“尖っていた”時代を振り返ったのは、同じくユーチューバーのシバターだ。過去には、HIKAKIN本人を目の前にして、「お前の動画は面白くない」と言い放ったことがあるのだという。
シバターといえば、歯に衣着せぬ発言が賛否を呼び、“物言い系ユーチューバー”として独自のポジションを確立した先駆者。2013年には、HIKAKINの著書を燃やすといった大胆行為に出たこともある。まだ“ユーチューバー”という職業が普及していなかった同年、HIKAKINは「僕の仕事はYouTube」なる著書をリリース。この本をシバターが燃やして挑発したことで、批判的な声が集まっていた。
6月11日に更新されたゲーム実況者・加藤純一のYouTube動画にゲスト出演したシバターは、当時物議を醸した“本事件”について、事前に許可を得ていたと打ち明けた。かつて、YouTubeに関するイベントで「初めてHIKAKINと会った」というシバターは、その場で「『今度、本を出されるみたいですけど、燃やしてもいいですか?』って聞いていた」という。
さらに、HIKAKIN本人に直接「お前の動画は全く面白くない」「100円のコンビニで買えるお菓子が美味しいとか、美味しくないとか、どうでもええやん」「誰も興味がない動画をアップするな!」などと失礼な言葉を浴びせていたことも告白。シバターは、現在の温厚なイメージのあるHIKAKINがまだ「ツンツンしてた」と振り返ると、一連の“物言い”に対しても、「でも、実際、数字取ってるし、こういうのが好きな人もいるし。君がつまんないと思うんだったら、君にとってはつまんないんだろうね」との反論があったという。
およそ10年近く、シバターは一方的にHIKAKINを敵視するようなキャラクターを演じてきたが、「今は、自分がつまらないと思ってるものをアップしてる人がいても、それがウケてても、“そういうもんなんだろうな、いいよね”って。落ち着きましたね」とトゲが取れ始めているようだ。
「そもそもHIKAKINの動画は、小学生から高校生という若者に支持されており、100円菓子のレビューを喜ぶ層が視聴しているともいえます。また、シバターとは対照的に、動画内で他者を批判したり、傷付けたりといった言動は一切せず、そうした点も“安心して子供に見せられる動画”という評価につながっています。さらに、シバターからの暴言にも、冷静に正論で返した“ツンツン”時代のHIKAKINについても、ネット上では『相手を否定せずに反論するところがHIKAKINらしい』『大人の対応がさすが』などの称賛が上がっていました。2013年時点で、動画の再生数、チャンネル登録者数はいずれもHIKAKINがシバターに大差を付けており、数字の結果を出していたからこそ、HIKAKINからすると、ひと言返しておきたいという思いがあったのかもしれません」(テレビ誌ライター)
現在では、メインチャンネルの登録者数が1070万人と大出世を遂げるに至ったHIKAKIN。“つまらない”とのヤジにも堂々と応戦できる自信があったからこそ、トップユーチューバーにまで上り詰めることができたのかもしれない。
(木村慎吾)