バブルとともに、自らの人気もはかなく弾けていった‥‥。かつての栄光と挫折を振り返ったのはお笑いタレント・森脇健児だ。
1984年、17歳の頃に松竹芸能に所属し、38年ものキャリアを誇る森脇。1988年に読売テレビで放送が始まったバラエティ番組「ざまぁKANKAN!」では若者からの絶大な人気を獲得すると、1990年代には東京進出を果たし、すぐに「笑っていいとも!」(フジテレビ系)のレギュラーに抜擢されるなど、トントン拍子でスターへの階段を駆け上がった。
そんな森脇のキャリア最高年収に関する話題が飛び出したのは、7月3日放送の「前略、大とくさん」(中京テレビ)における、お笑いコンビ・パンクブーブーの黒瀬純とのやり取りだった。
東海地方のグルメを食べ歩くロケの最中、黒瀬から“最高年収”を聞かれた森脇は「25歳で年収1億!」と具体的に回答。多くのバラエティ番組に加え、CDのヒットや、CM出演も重なり、年収が大台に到達したものの、「バブルも弾けて、僕の仕事も人気も全部弾けましたからね」と回想。さらに、「レギュラー12本が30歳でゼロになった」と一気に人気が急落してしまったという。続けて、森脇は「なんでか知ってる? オモロないのがバレたんですよ」と、自虐的に語っていた。
「森脇といえば、関西での人気に火がつくキッカケになった『ざまぁKANKAN!』のヒットで、芸歴に2年の差があるダウンタウンとライバル関係に。松本人志と浜田雅功は、1987年より同番組とほぼ同時間帯に『4時ですよーだ』(毎日放送)に出演し、こちらも平日夕方としては異例の視聴率16%を記録するなど、社会現象になりました。また、松本は6月17日放送のレギュラー番組内で、25歳にして年収が1億円を超えたと告白。奇しくも、森脇と全く同じタイミングで“1億円超え”を果たすも、その後のキャリアは明暗がくっきりとわかれることに。
32歳の松本が1996年度の芸能人高額納税者ランキングで1位に君臨し、その推定年収が5億3900万円とされる一方、森脇は『30代は地獄だった』と表現。12本もあったはずのレギュラーは全滅し、55歳での年収は全盛期の10分の1にまで減ってしまったと明かしたこともあります」(テレビ誌ライター)
華やかだった20代の日々が終わり、松竹のベテランとなった現在では、たびたび“イジられキャラ”としてテレビに登場している。最近では、東京での仕事のオファーがあった際には、新幹線の特急「のぞみ」ではなく、各駅停車の「こだま」を利用している森脇。その理由は「全国ネットに向けて気持ちを高めるには、のぞみでは早すぎるから」と語るも、松竹の後輩・安田大サーカスの団長からは「実際は格安チケットで安く移動してるだけ」と一蹴する。
一時は1億円プレーヤーとしても活躍した後のレギュラー全滅は、森脇のプライドを大きく傷付けたに違いない。しかし、そうした過去を「オモロないのがバレたから」と潔く表現できるところもまた、森脇の魅力の一つなのかもしれない。
(木村慎吾)