ハリウッドを彩るスーパースターたちの秘話を語らせれば、右に出るものはいないかもしれない。50年以上にわたって映画の字幕翻訳家を務めてきた戸田奈津子氏が、親交の深い俳優のトム・クルーズとの知られざるエピソードを紹介した。
「地獄の黙示録」や「E.T.」「ターミネーター2」「ジュラシック・パーク」「タイタニック」「アルマゲドン」など、大ヒット作や話題作を中心に、累計で1500作を超える作品を翻訳してきた戸田氏。その長いキャリアの中で培ったスターの人脈は相当なもので、8月16日放送の「午前0時の森」(日本テレビ系)では、来日時に毎度のように“専属通訳”に指名されるほどの信頼関係があるトムとの裏話が語られた。
2人の出会いは30年前。今や24回もの来日回数を誇る親日家のトムだが、初来日で通訳を務めたのが戸田氏で、当時の関係者から聞いたというパチンコ店でのひと幕を明かした。
トムは、当時の妻で女優のニコール・キッドマンとともに束の間の日本観光を楽しむと、夫婦そろってお忍びでパチンコを満喫。隣でビギナーズラックを連発するニコールとは対照的に、トムには全く当たりが出ず、ツキが回ってこないまま。戸田氏によると、「周りが気を遣っちゃってね、パチンコ屋さんに掛け合って『トムの機械、出すように』って。そういう風に聞きました」と周囲の関係者がパチンコ台の“調整”を試みたという。
また、2005年6月公開のヒット作「宇宙戦争」のPRで来日した際には、トムから“恋バナ”の相談をされたとも回顧。01年にニコールと離婚し、06年には女優のケイティ・ホームズと結婚したトムだが、その1年前に、日本で戸田氏に“恋人へのプロポーズをするべきか”を尋ねていたという。
さらに、今年5月にはトムと日本で3時間のティータイムを楽しむことができたと打ち明ける戸田氏。というのも、現在も大ヒット上映中の話題作「トップガン マーヴェリック」での来日で、トムが当初よりも早く日本へ到着し、その空き時間のお相手に選ばれたのが彼女だったというのだ。
「次から次へと紹介されるスーパースターとの交流エピソードにはネット民も騒然。『トム・クルーズを独り占めは何とも贅沢ですね。戸田さんは幸せですね』『通訳の域を超えてる。頼りになる、慕われるお人柄なんですね』などと驚く声が飛び交い、トムとの親交の深さを評価されています。
戸田氏は19年4月に名古屋市内の映画館開業イベントに登壇した際にも、トムとの貴重なエピソードとして、『気温40度の新宿で、ピシッと三つぞろえのスーツを着ても汗ひとつかかない。スターは汗をかくとみっともないからと水も飲まない。自分をコントロールする意思が凄い』と紹介。寿司屋で食事をともにした時も『お酒は一滴も飲まず、ダイエットコーラを飲んでいた』とのことで、60歳にしてスタントなしのアクションに挑み続けるトムの意識の高さがうかがえますね」(テレビ誌ライター)
ほかにも、07年にはベテラン俳優、ロバート・デ・ニーロの京都旅行にも同行したと告白するなど、唯一無二の強力なコネクションを誇る戸田氏。86歳という年齢もあり、通訳についてはすでに引退したものの、ハリウッドスターにとっては永遠に“日本の母”であり続けるに違いない。
(木村慎吾)